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【銀桜】7.陰陽師篇
第7話「イカナル時ニモ笑顔ヲ絶ヤサナイ」
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かれていった。
 そしてそれを我が物にしたいと強く願った。
 だが手にした途端、その光は輝きを失った。
 クリステルは笑顔一つさえ見せなくなったのだ。

 望みの女を手に入れようと、最強の力を得ようと、心は晴れない。
 重く暗い雲が広がっていく。

――ナゼダ!?オレハタダァァァァァァァ!!

【道満 我に身をゆだねよ】

 『陰』が道満の心にささやく。

結野衆(やつら)巳厘野衆(ぬしら)を陽の下から陰へと追いやった滅すべき仇】

――オレハァァァァァァァァ!

【何を迷う?何を戸惑う?ただ憎悪(われ)に身を委ねればよいのだ】
【お前から全てを奪った連中を許すな】
【どうせ手に入らぬのなら……】
【全て壊してしまえ】
【全て滅してしまえ】
【そして】

【闇に染まれ】

* * *

「うぐああああああああああああああああああ!!」

 邪印が全身を蝕んだ途端――絶叫を上げる道満は醜い巨大な鬼へ変貌した。
「式神を自分の身に宿したの?」
「違う。あれは式神なんて生易しいモンじゃないでござんす」
 おぞましい殺気に気圧され額にいくつもの冷汗を垂らす結野アナに、外道丸が鬼の正体を淡々と語る。
「クリステル様。どうやらあの男、憎しみのあまりとんでもないモンをこの世に呼び起こしてしまったようでござんす」
「まさか…!」
「そう。あれは一千年前結野衆と巳厘野衆が決死の思いで封じた最凶の邪神・闇天丸でござんす」
 誰にも振り向いてもらえず、想い人も奪われ愛憎の炎に焼かれた道満。彼は封印されていた『闇天丸』を呼び起こし、己の身に宿らせて最強の陰陽師になろうとした。
 だが闇天丸の真の目的は再びこの世に目覚め、両家の復讐と共に江戸を壊滅すること。
 道満は力の欲求に溺れた心を利用されたにすぎなかった。
 闇天丸へと化した道満は、巳厘野衆の陰陽師すら巻き添えにして破壊の限りをつくし始める。
「いかん!敵と味方の区別もついておらん。皆逃げろォォ!」
 晴明が跳躍して闇天丸の眼前で五芒星を描き、光弾を放つ。
 しかし直撃しても邪神はびくともしない。逆に晴明は地面へ叩き落とされてしまった。
「兄様!」
「クリステル様、下がってるでござんす」
 倒れた兄のもとへ駆けよろうとしたが、外道丸によって阻まれてしまう。
「そこをどきなさい、外道丸」
「残念ですが、クリステル様の呪法では闇天丸(ヤツ)にかすり傷一つつけられないでござんす」
 目の前で暴れるのは、かつて手を取り合っていた頃の結野衆と巳厘野衆の先祖たちが幾度の戦いを繰り返してようやく封じた邪神。しかも今の闇天丸は道満の負の情念を食らって更に力を増し強くなっている。
 最強の陰陽師の名を持つ晴明ですらあっさりやられてしまい
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