四匹目《動き出す運命》
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この為だ。ゴキ兄にとって恋とは夢、彼女とは遠き理想。だからゴキ兄に中年という言葉はタブーであり著しく心を傷つける。現に花にそう言われてゴキ兄は泣いてどこかへと走り去ってしまった。
「ね、ねぇ隆文? ちょっと聞きたいんだけど……これ知らないかな? 」
「それ……何? 宝石? 」
「うん、そんなような物。見たことない? 」
「う〜ん……ごめん……ない…………」
「あ!? いいの、気にしないで!? ごめんね変な事聞いて(魔力の反応もないし、念話も届いてない。という事は隆文には魔法の資質はないんだ…………)」
フェイトが隆文に見せたのはひし形の青い宝石のような物だ。フェイトはこれを探している。ただ、隆文にはあるないに関わらず念の為に聞いただけだったのだが、隆文が思いの外落ち込んでしまいフェイトは焦った。フェイト自身もどうしてこんなに焦っているのか分かってはいない。だが隆文に嫌われたり、少しでも悪く思われるのはフェイト自身、嫌だと感じているのだ。
「隆文? よ、良かったら……うちに来ない? 」
「え? フェイトちゃんのお家? で、でもいいの? 迷惑じゃ……」
「迷惑なんてそんな……是非とも、来て欲しい……かな? 」
「……い、行きたい! お邪魔します! 」
【な、なななななぁぁあああああああああああ!? 隆文お兄ちゃんが!? 隆文お兄ちゃんが寝取られる!? 私の隆文お兄ちゃんが!? ぬぐぐぅぅ……あの女ぁぁ……許すまじぃぃ、許すまじぃぃ】
一匹嫉妬に狂う黒光りするG、もとい花なのだが。その身体からはドス黒いオーラが滲み出ている。フェイトの方をジッと見つめ、殺気でも飛ばすかのように唸っている。花は隆文がフェイトの家に誘われたのが気に入らない。花は感じ取っているのだ、フェイトが隆文に惹かれているという事に。だが花にはどうする事もできない。それを阻止したくても相手は自分よりも何倍も大きい人間。よって阻止もできないし、そんな事をすれば隆文にも嫌われかねない。だから花は嫉妬をたぎらせながら隆文達の後をつける。
「あ! おかえりフェイト……げ!? しまっ!? 」
「い、犬が……犬がしゃべ、喋って……て…………」
「お、落ち着いて隆文!? 平気、平気だから!? この子は私の使い魔で」
「フェイト、それも言ったらマズイんじゃないのかい? 」
「あ! ち、違うんだよ隆文!? 私は魔導師なんかじゃ」
「フェイト、落ち着きなって? どんどん墓穴掘ってる」
「あうぅぅ……あれ? 隆文? 隆文? え!? ちょっ!? 隆文!? 」
【隆文お兄ちゃん!? 】
隆文は色々受け止めきれずに倒れてしまった。こう見るとなんてメンタルの弱い男なのだろうか。しかし突然犬が喋り出し、目の前の女の子が突然電波
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