暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
96話:件の少女は意外とアクティブ
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「門寺三佐、何をなさるんですか!?」
「それはこっちのセリフだシスター・シャッハ! なんでテメェはあんな怖い形相で登場するかね!?」


 シャッハは当然、いきなり自分の行動が邪魔された所為でお怒りだ。しかし俺だってただのちょっかいで出てきた訳じゃない。


「あの子にどんな力が分からない以上、防衛の構えは…!」
「だからってお前デバイスに、しかも騎士甲冑まで纏って、鬼の形相で目の前に現れるか普通!? 相手は六歳ぐらいの少女(ガキ)なんだぞ!? いきなりそんな風に現れたら、怖がって逆になんか起こるかもしんねぇだろーが!」
「だからと言って何かあった時の対処が…!」
「どわぁ!? おま、デバイス持ったまま来んな! 双剣の刃が目の前まで来るだろうが!」
「今はそんな話どうでも―――」


「ちょっといいかな、二人共?」


 ―――瞬間、俺の身体に寒気が襲ってきた。
 いつもより低く、冷たささえも感じられる、いつも聞きなれている筈の幼馴染の声が耳に入り、俺の身体は固まった。どうやら目の前にいるシャッハも、同様らしい。

 ギギギ、と錆びたおもちゃのように首を動かしてみると、そこには両手を腰に当てて仁王立ちするなのはの姿があった。


「とりあえず…少し静かにしていてくれる? 私はこの子とお話があるから」
「………(コクコク)」
「で、ですが…!」


 黒い笑みを浮かべながら言うなのはに、俺は素直に頷く。しかしシャッハは愚かしくも反論しようとして……


「オハナシ=cします?」
「―――いえ、結構です…」


 呆気なくなのはを目の前にして首(こうべ)を垂れた。バカだな、ここは素直に退くべき場面だぞ騎士様よぉ…退き際を見極めるのも大事なことだぞ?
 なのはに恐怖するシャッハを見ながらそう思っていると、なのはは早速件の少女の下へ行き、同じ目線になるようにしゃがみ込んだ。


「大丈夫? ちょっとビックリさせちゃったかな?」
「ふぇ…?」
「初めまして、高町なのはって言います。お名前、言えるかな?」
「………ヴィヴィオ=v


 少し泣き目になっていたが、なのはの質問には素直に答えた。中々できた子だな。
 なのはが件の少女―――ヴィヴィオの名前を可愛いと言っている間に、後ろからシグナムが走ってきた。なのはの方を確認した後、こちらを向くとなんだか複雑な表情をした。仕方あるまい、シャッハのこの姿を見れば。


「ヴィヴィオ、どこか行きたかった?」
「ママ…居ないの…」


 またも素直に答えてくれたヴィヴィオの言葉に、そこにいる全員がハッと息を飲むような表情をする。
 当然だ、魔導士素体として作られた#゙女に、母親などいる筈がないのだから。

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