次なる一手
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ない―――といった理由がある訳ではないが、リアルでも知り合いなのだし、割と洒落にならない怪我を負わせるのだけは、正直グラトニー……もとい中の人・瀧馬としては遠慮したい。
さらに言えば、性格方面はグラトニーに引き摺られる為、これ以上長引かせると我慢の限界が来ると言った理由もある。
しかしながら今のブルーの怒りは、一発でもデカい一撃を決めなければ、落ち着く事などまず無いと、そう思ってしまうぐらいの勢い。
意識を飛ばすにしても、怯ませて言葉で血を下げるにしても、どこかで武力行使がかかわるので、このまま受けに回ってばかりでは状況は進展せず、向こうがやる気満々なこともあり埒が明かない。
「ハアアアアッ!!!」
「……やっ……むぅっ」
「っ……! なら―――これならどう!?」
何回目かのテイルブルーとグラトニーの、攻守も変わらねど進行も無い攻防で焦れたのか、ブルーは思い切り後方へと距離を取った。
何を行うか、何が飛んでくるのか察したグラトニーも、敢えて避けようとはせず真正面から視界に納めている。
「『オーラピラー』ッ!!」
「うっ!?」
「へ? ちょ、まっ……ブ、ブルーッ!?」
……悲しいかな、ブルギルディとの戦闘は注目もされずに、とっくの昔に終わっていたらしく、テイルレッドがテイルブルーの蛮行を目の当たりにして、悲鳴にも近い声を上げた。
ギャラリーは色々な意味で目が離せないこの勝負を、ただ口を閉ざして目を見はり、一瞬も見逃さぬよう体諸共硬直させ固定している。
そして――――時が訪れた。
「エクゼキュゥゥゥゥゥウト……ウェイブゥゥゥゥウゥゥゥウウッ!!!」
「ちょ―――」
空間を貫く荒波の槍が、オーラピラーにて拘束されたグラトニーへと、範囲から逸れ、そこで目視するだけでも伝わってくる力を持って、今度こそ(私的な)目的を達せんと突き進む。
その中で、何人聞く事が出来ただろうか―――
「もういい、許さない……新技、試そう……」
小さく不本意ながらも、確かに “決意” のこもった声を。
空耳にも近い囁きと同時、『エクゼキュートウェイブ』は見事命中してしまい、大発布の如き水しぶきをあたりへとまき散らした。
「ブ、ブルーのバカーッ!? 敵じゃ無い奴を爆破するなんて、今度こそお終いじゃないかーッ!?」
「……あ」
そこでようやく我に返ったか、ブルーの表情は見事なまでの呆気顔となる。
まだ聞きたい事も聞いていないのに、アルティメギルのエレメリアン同様必殺の一撃をぶつけてしまったのだ。
これからの戦い的にも、テレビ的にも、そしてテイルブルーの世間体的にも、完璧に終わったも同
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