次なる一手
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》の強さとは、あくまでエレメリアンやこういった属性力依存の技術に必要な要素であり、外見的な魅力には余り関係が無い。
だから例え、思い人が紙型以外求めていなくとも、「ツインテールも欲した乳もある」グラトニーが、心底憎く映るのかもしれない。
だとしても……それならば、同条件であるテイルイエローはどうなのか?
一応仲間だから、そして今イエロー自身も現在かなり惨めだから、手に掛けないのだろうか。
何にせよ、グラトニーにとってはいい迷惑でしかないが。
「フン! フン! フンヌゥッ!!」
「は、よ、ほっ……」
「オオリャアアアァァッ!!」
「やっ」
上から下、繋げて中段の三連回し蹴りを、屈み、跳び、右腕を脚にぶつけることで回避。
コンクリートが罅割れる踏み込みからの刺突を、リンボーから蹴り上げる形でやり過ごす。
……もう大分女性としてやってはいけない顔、出してはいけない声を、我問せずとしこたま出し続けている事についてはもう何も触れない事にしたか、グラトニーは当然のことラースですら戦闘関連以外で何も発さなかった。
(『なんつーカ……この後のテレビが楽しみっつーカ、怖いといウカ……』)
ここまで来られると楽天家な彼でも、流石に豪気に笑い飛ばせないようだ。
テイルレッドはと言うと、既に戦闘員をせん滅し、ブルギルディと対峙している。
怒りのままに拳を、槍を振うテイルブルーと、ブルーの所為で動けないグラトニーに変わり、ここに来た本来の目的を果たすつもりだろう。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
「ヤットッ、ホッ、ヨッ……ハッ」
スピードはともかく迫力だけならば、かの “星の白金” に勝るとも劣らない、ブルーの拳でのラッシュ、ラッシュ、ラッシュ。
グラトニーはラースからの助言を頼りに、必要最低限よければいい攻撃に対して空気を噴出させ、人工的な気流とそれに合わせた右手捌きで確実に的確にやり過ごす。
拳に意識を引きつけてからのキックも、グラトニーに目線は騙せてもラースの目は騙せず空振る。
しかし腕を上にあげ隙を晒したかに見えた格好から、放り投げていた槍をキャッチし、そのまま槍先で穿たんばかりのラッシュ。
焦ることなく冷静に左手を前に構え、風圧と合わせて盾とし、グラトニーはこのテイルブルーの(理不尽な)攻めを、またも難なく凌ぎ切った。
此処までの流れからお互いの力が互角なようにも思えるだろう。
……思えるのだが、実際の所グラトニーはそれなりに手を抜いて戦っており、これまでのやり取りから察する事が出来るように、『ただ攻めていないだけ』というのが本当の所。
別に女の子だから拳を振るえ
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