次なる一手
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宣言すると共に銃を片手で構え、大怪盗の相棒もかくやの早撃ち三連射で、アルティロイド三匹の胴体を狙う。
テイルレッドは期待に胸を膨らませ、その様を凝視する。
雷光眩い銃口から放たれるは、正に黒雲より降りる雷電の弾丸――――
―――ではなく、雷っぽい何かを纏った、縁日名物な射的で使うコルク弾のような、
情けないとしか形容できぬ一撃……計三つ。
それが、シュポポポンという、気の抜ける情けない音と一緒にとびだした。
「モォ! モケェェェェッ……モケ?」
「モゲエェェ!! エ!? ……モケケ?」
「モ、モケー……」
当然のことながら弾丸は戦闘員に傷一つ負わせられず、逆にスポンジボールでも当たったかのように跳ね返されてしまった。
如何反応していいか分からず、アルティロイドは挙動不審にあたりを見回している。
これにはテイルレッドやテイルブルー、敵である頭のブルギルディ、そしてまだ新参だから譲るべくか、一応空気を呼んでいたグラトニーでさえ、呆気にとられて棒立ちとなっていた。
「え? ……ま……まだですわ! 私の武装を『ヴォルティックブラスター』のみだと思っているのなら、それは大間違いですわよ!」
「な、なんと! 先のあれは此方を試す為の……ゆ、油断ならんな! な!」
「「「も、モケケ! モケーーーッ!!」」」
「そそ、そうだよな! もっと強い武器がワンサカあるんだもんな!」
「心配しなくても大丈夫よ会長! 失敗してもその乳は私がもらうから!!」
「……空気読めない人、約一名……」
尤もなグラトニーの発言が差す約一名が、一体誰なのかはこの際説明しなくてもよいだろう。
(一人を除いて)何とかお膳立てしてもらい、慌てながらもイエローが腕を引き再び前へ出すと、なんと碗部横から銃口が現れた。
他二人の鎧過少なコスチュームや、露出大目なコスチュームとはちがい、イエローのコスチュームは矢鱈とゴツい。
それは体の各所に遠距離武器を仕込んでいる為。だから他より重武装なコスチュームだったのだ。
手に用意された発射口。
そこから放たれるは、雷のレーザー。
無慈悲なる黄金の閃光が、アルティロイドを呑みこんでいく。
…………事は無く、ポヤヤーとしか聞こえない怪奇音を合図に水鉄砲のような、プシュ〜っとしたレーザー(のような何か)が射出される。
それは放物線を描き、重力に従い曲がって狙いが定まらず、避けてもいないのにアルティロイドの小脇やら頭上やらを通り抜けていく有様だった。
「あ……フ、ウフフ、すばしっこい敵ですわね? 此方も倒し甲斐があるというものですわ!」
「モケ、モケエッ!」
「モッケモッケ!」
「モケ……モ! モケケェ!
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