次なる一手
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項垂れていた。
地に膝をつき、肩を大きく下げ、顔を見せぬよう俯いていた。
テイルイエローとして意気揚々初陣を飾った、笑顔の輝いていたあの時の会長の姿は、見る影もなかった。
周りには倒れ込んだ戦闘員―――アルティロイドがいるが、どれも爆発はしておらず、ワザとらしくピクピク痙攣しているだけ。
初見ではおフザケ感満点なこの光景ではあるが―――何も彼らは遊んでいる訳ではない。
……一応、テイルイエローの攻撃を受け、アルティロイドはこうなったのだ。
「敵にまで情けを……私はっ……ううっ」
「イエロー……」
テイルレッド・総二が心配そうに声をかけるも、テイルイエローは涙をハラハラこぼしながら、何も答えずしゃくり上げていた。
…………彼女の意気が根こそぎ削がれることとなった此度の戦闘、それが起きる切掛けは数分前まで遡る。
アルティメギル出現を知らせるアラートを受け、何時も通り総二はテイルレッドへ、愛香はテイルブルーへ、そして会長はテイルイエローとなったまま、つい最近増築されたらしいワープ装置へ乗り込み、一旦基地まで飛んでから改めて現場へ向かう。
そこはどうやらとある学校の校門前の様で、無数のアルティロイドと一緒に、何時ものように仁王立ちっぽい質姿ではあるが、腕は腰あたりで固定され組んではいない、ウシ型のエレメリアンが目に入る。
それはよく見るとオロオロしている様にも見えるが……その原因は目の前で繰り広げられていた『ポップコーン』にあった。
とはいっても玉蜀黍が高々と跳ね上がっているのではなく、コーン代わりにアルティロイドが宙を舞っているという光景だったのだが。
その中心に居るのは、こちらも何時ものことながら、ツインテイルズよりも早く現場へ到達している、食欲万歳モンスター少女・グラトニーであった。
地面に左手を着けている所作、開閉を繰り返す吸気口兼噴出口、すぐには食いつかないことを見るに、何やら新たな技でも試しているのだろうか。
やたらコミカルな現状に、数秒間だが面食らったテイルレッドたちは、すぐに頭をぶんぶん振って我に返ると、数メートル分近づいてお決まりの如く声を上げる。
「今日も現れたか、アルティメギル!!」
「おお! その声はテイルレッドか! ……む? どうやら新たな者がいるようだが……そのツインテールからして、只者では無かろう? 何者だ、お前は!!」
その言葉を待っていたか、会長―――現・テイルイエローが、腰に手を当て堂々と宣言して見せた。
「私こそ第三のツインテイルズ! その名も……テイルイエロー!」
「なんと、新たなツインテイルズだとは……面白い、此方の血潮も滾る
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