精神の奥底
44 赤き断罪者
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
スを模した鷹のように鋭い外見となっており、確かにアシッド・エースの為に作られたのだと伺い知ることができ、その象徴的な1236cc水冷OHC4バルブの76°V4エンジンを技術者が改良を加えた強化型エンジンと水冷4ストロークのイオンエンジンを搭載し、出力はベース車の原型を留めていないと言っていい程のスペックを誇る。
それにより最高速度は390km/hを実現し、片持ち式スイングアームによるシャフトドライブシステム、驚異的なスペックに見合った強化型コンバインドABSシステムにスター・イリュージョンと同様にウェーブロードとの接触が可能なタイヤ『W.R.T』を搭載しているなど一般車を遙かに上回る高い走行性能を発揮できる。
また前輪部にはプラズマキャノンと小型ガトリングガン、フロントライトの両脇には3発ずつホーミングミサイル、ウインカー部には予備の弾薬やバッテリーの入ったツールボックスと脱着可能なグレネードランチャーを搭載しており、まさに『パニッシャー』、すなわち断罪者の名を冠するにふさわしい装備を備えている怪物としか言い様がない。
速さを追求して装備を最低限に抑え、軽量化することで『イリュージョン』、幻影と呼ぶにふさわしい走行性能を実現したスター・イリュージョンとは根本となるプロジェクトは同じでも全く方向性は異なるものだった。
『まだソフト面が未完成の部分が僅かに存在しますが、通常のマシンとしての走行には問題ありません。現在の状態でも最高速度は390km/hまで理論上は出せるはずです』
「…できればそこまで出す局面に出会わないことを祈るけどな」
『この奥からWAXAニホン支部本館の地下駐車場に通じる隠し通路があります。そこを経由して脱出しましょう。今、ゲートを開きます』
アシッドは倉庫内のコンソールから奥の隠し通路への扉を開く。
その間にシドウはパニッシャーの近くのテーブルに置かれたヘルメットに手を伸ばす。
SHOEI・J-Cruise PASSE、レッドが象徴的で開閉可能なインナーバイザーを備えており、トランサーに来た通知を知らせるスピーカーが内蔵されていた。
「オレの頭にピッタリか」
『アシッド・エース装着者であるあなたのサイズに合わせられています』
「いつかはオレとお前の手に渡るはずだったものが、ちょっと早く届いたってことか」
23時18分、シドウは時間を確認すると、腕のG-SHOCKを外して放り投げる。
実働部隊にWAXAから支給されていたものだが、発信機がついている可能性を考えてのことだ。
ハンドルを握り、跨るとヨイリーから預かった電子キーで作動させる。
マシンのエンジンは低く静かな音でありながら力強く始動した。
だがシドウは発進しようとした瞬間、あることに気づく。
「あれ?クラッチ…」
『DCT(デュ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ