精神の奥底
44 赤き断罪者
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い!」
「!?捜査官証の入った端末と音声認証です!!いつもやってるやつですよ!」
『…ダメだ!!端末も音声も…』
『暁シドウ捜査官 ユーザー認証…エラー 現在当該捜査官のIDは無効となっています』
『捜査官権限ごと凍結されてるらしい!そっちから開けられないか!?』
「ちょっと待ってください…!?」
防犯カメラに向かってシドウは怒り気味の顔でドアの方を指さしている。
笹塚はドアのロックを解除するコマンドを送信する。
だが返ってきたのはパスワード入力画面だ。
この防犯システムコンソールは基本的にWAXAニホン支部の施設管理者向けのものだ。
僅かなサブシステム以外はパスワードなど必要なく建物内の設備を思うがままに動かせるのが通常で、パスワードが必要なものに出くわす方が珍しかった。
「こっちからもパスワードが必要です!!」
『クッソ!この鍵も使えないし…一体何の鍵だ、あのババア!!』
シドウはヨイリーから受け取った電子キーをポケットにしまうと、ドアを開けるべくドアを殴りつけ始めた。
シドウは内心、他の出入口を探して逃げた方がいいと思い始めていた。
だがヨイリーが指示したからにはここに来れば、出入口を探して逃げるよりも効果的な手段のは間違いない。
あと10秒、あと10秒だけ待って開かなければ、他の出入口を探す。
そう決めると笹塚がロックを解除してくれることを祈った。
lisa@lisa-mobile:~$ scp -p 9211 /tools/analysis/bf-4.rb root@144.33.19.41:/root/b.rb
root@144.33.19.41’s password:
「ダメだ…間に合わない…」
笹塚は暗号解読ツールと思われるものを転送しようとする。
だがパスワードに関して何の手がかりも無い状態ではブルートフォース、すなわち総当りで探すしかない。
確実な方法ではあるが、侵入が見つかる可能性が高くなるというリスクがついてくる。
そして何より時間が掛かる。
パスワードが長ければ数日かかるということも珍しくない。
セキュリティホールも探している余裕はない。
『クソ…来やがった』
シドウの視界には自分の姿を発見してこちらに向かってくる隊員数名が映っている。
もう時間はない。
笹塚は悔しいが諦めかけていた。
だがここで諦めれば、シドウが捕まる。
WAXAは間違いなく権力を傘にきた組織へと変貌してしまう。
更にはスターダストに蝕まれている1人の少年の命が消えてしまうかもれない。
諦めたくても諦められなかった。
「V、P、Shift+6、K、2、L…」
「え?」
そしてその熱意に応えるように何処からか救いの手が差し伸べられる。
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