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BloodTeaHOUSE
中学生は思春期だから
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だことあるの?


死・・・ここでも私には死が付きまとうの?

死・・・・・・・・・・・・・・いろんな人の死に顔が記憶から溢れてくる。

抱き上げた時には息がなかった妹、
川に流された子供を助けようとして死んだおじさん、
受験ノイローゼで自殺した従兄弟、
心臓が悪くて死んだおばさん、
おじさんたち、おばさんたち、いとこたち、
おじいちゃん、おばあちゃん、
病気でやせ細った顔だったお父さん、
事故で血まみれの顔だったお母さん・・・


「お、おいっ?」
「・・・・・ぇ?」

裏子の慌てた様子に目を瞬いて、自分が泣いてることに気がついた。

「あ、あれ。ごめんね。なんでだろ、アハハ」

慌てて目をゴシゴシこするけど、溢れてくる涙は止まってくれない。

「今はさ、この店で変な客とか相手してなんだかんだと楽しく過ごしてるんだからさ 
 な?」
優しく背中を叩かれ、何度も頷く。今 裏子は苦しんでも悲しんでもいない。
それはわかってる。でも、勝手に涙が出てくる。
お葬式の作法には慣れても、誰かの死に慣れることなんかできないよ・・・・

「誰も香澄ちゃんを悲しませたくて教えたわけじゃないんだよ?
 やれやれ、感受性が強すぎるっていうのも不便なものだね」

そう言いながら飛白がカウンター越しに頭を撫でてくれる。
二人に慰めれられてようやく何だか少しずつ収まってきた。

「…わたしがお婆ちゃんになっても仲良くしてくれる?」

まだ赤い目をしてるだろうけど、鼻の頭とか赤いかもだけど、顔を上げて聞く。
いつかこの人たちを追い越して、私だけ年を取っていく。
置いていくのは残酷なの知ってるけど、それでも今はその約束が欲しかった。

「嬢ちゃんがここに来てくれるんやったら、
 いつまででも仲良うしたるさかいに安心しい!」
「そんな先のことよりまずは今!だろ?」
「君が今この店にいる時間を大切にしたいね。
 さあ、まずはより近づくために肌を合わせようじゃないか」
「飛白のせいで いい話が台無しだよ!」
「あっはっは ヤキモチかい?裏子ちゃん」
「ウルサイ死ネ! コロス!」

裏子はすごく怒ってるけど、飛白の軽口で、
私が湿っぽくしてしまった空気が霧散した。
意外と気を使う人なのかもしれない。それとも、そう思わせるのが彼の手口なのかな?

お箸が転がっても笑う年頃はお箸が転がるだけで泣いちゃう年頃でもあるのだ。



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