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BloodTeaHOUSE
中学生は思春期だから
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「すみません、長袖のカーディガンはないんですか?」
「でしたらこちらなどはいかがですか?」

店員さんに勧められたのは、Vネックでで薄手のカーディガン。
いろいろ迷ったけれど、白と青灰色と柳色にした。

ふと見て気に入ったワンピース。少し襟が大きく空いてるけど、
それをフォローするように幅広のチョーカーみたいな付け襟が付いてる。
喪服は持ってたけど他の黒い服って持ってなかったから黒とカーキ色の2色を選んだ。

白いワンピースを見て悩む。かわいいけど、汚しちゃわないかなぁ・・・
真っ白だからシミが付くと着れなくなっちゃうんだけど、可愛さに負けて選ぶ。

憧れの青いセーラーカラーのトップスを見つけたから、うれしくなって見てみる。
うん、すごくかわいい。こういうのが制服だったらよかったのに・・・

それに合わせて、スカートと少しボーイッシュなカボチャパンツ風のズボンを選ぶ。
スカートとズボンに合わせて、トップスを何枚か着回せるように。

そしてまた靴売り場へ逆戻り。買った服を見せて、店員さんと相談。
コロンとした足先のストラップのついたえんじ色の靴と、
少しスクエアだけど甲の真ん中でリボンのように絞られた黒のローファーを選んだ。

両方とも5センチのヒール付きだけど、ヒールが太くてしっかりしてるから、
歩くのには問題なさそう。背が低いから、ヒールを発明した人に感謝。

去年、母が死んでから服なんてほとんど買わなかったから、店員さんと相談してたら
あっという間に閉店時間になった。


天国のお父さんお母さん、遺族年金を残してくれてありがとう。
おかげで、着るものに困らなくて済みそうです。



今日は満月だったようで真っ暗な空に大きくて綺麗な銀盤が浮かんでる。
家の周りの空は明るいから、こんなに綺麗な月夜は初めてだ。

「君はもしかしてかぐや姫かな」

 びっくりした
 嗚呼びっくりした
 おどろいた

思わず一句読んでしまうくらい驚いた。
闇に属するあやかしなのだから、気配がなくてもおかしくはないけど、心臓に悪いよ。

「かぐや姫みたいにモテないし美人じゃないよ」

腰まである長くて真っ直ぐな黒髪はちょっと自慢だけど、
胸は控えめだし、身長もそんなに高くない。
良い言い方すればスレンダーだけど、チビでやせっぽちという表現の方が正しい気がする。

「君はとても可愛いし、魅力的だよ。そのうち誰もが振り返るようになる」

飛白のキザで調子いい言葉に苦笑してると、

「でも、きっと僕の虜になってほかの男なんか目に入らなくなるからね」

なんて、確かに飛白はかっこいいけど、そういうこと言わなければもっといいのになぁ。


「こんばんわ、裏子」

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