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BloodTeaHOUSE
中学生は思春期だから
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にこやかに近づいてきた靴売り場の店員さんに、

「この服に合わせられるような靴が欲しいんですけど」

そう言いながら、足元のくたびれた黒いローファーを見る。少し恥ずかしい。

「足のサイズはお分かりですか?」

あくまでもにこやかな店員さん。よく訓練されて…じゃなくて、さすがプロ。

「22、くらいだと思います」
「では少々お待ちください」

ぺこりと頭を下げ、どこかへ行ったかと思うと、サンダルを持ってきてくれた。

「どうぞそちらへお掛けになって試していただけますか?」

試着用の椅子に座って細い革で編んであるサンダルを履いてみる、
履き心地は悪くないけど、ヒールが細くて、立ってみるとグラグラする。

「あの、バランスがすごく、歩いたらコケそうです……」

せっかく選んでくれたのに申し訳なくてそう言うと、

「左様でございますか、ではこちらならいかがですか?
 ウェッジソールですし、普通のヒールより安定感がございますよ」

足の甲の幅広のベージュの革には花模様が型押しされてていて可愛らしい。
履いてみると、さっきのよりはずいぶん安定してるように思える。

「いかがですか?」
「あ、はい。これなら、なんとか…」

転ばないかも。ちょっと不安そうにしながら歩いてみる。
ヒールのついた靴なんて初めてだから、おっかなびっくり歩いてると、

「お客様は足もお綺麗ですし、とてもお似合いですよ」

なんて褒めてくれる。お世辞もなかなか上手だな、不自然さを感じさせない笑顔だ。
でも、私は自分が子供っぽい顔してることくらいわかってる。

「……あの、これ、ちょっと大人っぽ過ぎませんか?」
「そんなことありませんよ?どうぞそちらの鏡でご覧になった見てください」

指された方を見てみると、かかとを上げてるぶん足が綺麗にみえて、
思ってたより全然違和感がない。

「………あ」

つい感嘆の声を上げてしまった。店員さんはにっこり笑って

「こちらは後ろにストラップが付いておりますので、
 歩いていてもかかとが外れるということもありませんし、
 なにより、可愛らしいけれどシンプルなデザインなので色々な服にとても合わせやすいですよ」

うん。店員さんの言うとおりだとおもう。すごくかわいい。

「えと、じゃあこれいただけますか?このまま履いていきたいんですけど」
「ありがとうございます。それではそちらの靴を箱に入れさせていただきますね」

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靴の入った袋を持って、洋服売り場に来た。ヒールのせいでいつもと視界が違って、ちょっと新鮮だ。
森の方が家よりも涼しいから、まずはストールがいるよね。
無難に白と水色と、ピンクの3色を選ぶ。

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