NO.16 凶禍楽園
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半径5メートル以内は暴走しているジャンヌの領域。彼女の世界だ。
・・・・・・八方塞がりだ。「領域」内のジャンヌに攻撃する術はない。あの「領域」がどんな世界かわからない以上、迂闊に入ることもできない。
今までの『天使』とは比べ物にならないくらい厄介だ。
ふと、俺は疑問に思った。何故ジャンヌは『凶禍楽園』を拡げないのかと。
確かにオーフィスにつくってもらったこの空間は広いが、ゲームでは町一個を丸々包み込んでしまえる代物だ。
・・・・・・もしかして、『拡げられない』のか?
仮説だが、『凶禍楽園』は霊力をとんでもなく消費するものだと仮定しよう。
「世界を一から作り直す」能力だ。そんな神のような能力を使うのなら、霊力の消耗が激しくてもおかしくない。
霊力の消耗を抑えるために、範囲を半径5メートルにまで狭め、こちらに手出しをしないのではないかと。
それなら、やりようがある。なるべく霊力を消耗させてやればいい。まずは仮定の確認も兼ねて、挑発してみる。
「そっちからはこないの?」
・・・・・・・・・・・・無反応。
なら、
「『砲冠』!」
俺の最大威力を誇る砲を放つ。ただし、加減して。消耗戦になりそうだから、あまり消耗しないように。
『砲冠』を放ったが、やはり「領域」に入った瞬間霧散する。
・・・・・・この手はあまり使いたくなかったんだが・・・・・・
「ルフェイ、今良いかしら?」
『ふえっ!?レイナーレさん!?』
「貴女に手伝って欲しいの」
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念話でルフェイちゃんをよんだ。できれば俺一人で終わらせたかった。『天使』持ちを仲間に、できれば家族になんていうのは俺の自分勝手だ。その自分勝手にルフェイや黒歌、オーフィスを巻き込みたくない。
俺が始めたのだから、俺が責任を持つべきだ。自分に嫌気が出る。
「ごめんねルフェイ。私一人じゃどうにもならなさそうだから、貴女に手伝ってもらいたくて」
「いえ、大丈夫です」
はあ。こんな健気な女の子に自分の蒔いた種の刈り取りを手伝わせるなんてな。
「本当にごめんなさい。私一人でやるべきことなのに。私の自分勝手に巻き込んでごめんなさい」
「・・・・・・巻き込んだことはいいんです」
え?
「実は私、ちょっと嬉しいんです。レイナーレさんに頼ってもらえたことが」
「ルフェイ?」
「レイナーレさん、私達は家族ですよ?
家族が助け合うのは当たり前です」
・・・
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