九校戦編〈下〉
九校戦五日目(4)×巫女装束と『氷炎地獄(インフェルノ)』
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、俺が診察時の姿勢は現役と変わらない程だと言われている。あとは正論だが、最後に付けたしとして言ったのが無言状態となってる名無しがここにいるからだ。先程のエイミィや雫の試合でも、俺オリジナルデバイスを開発して試合に臨んでいるからな。モニター越しでは分からないので、直接見に来たと言っていい程だった。
「深雪。頼もしい応援団だが、逆に緊張しないようにな。深雪の試合が終わると、蒼い翼特別推薦枠を持つ名無しが出る予定だ。相手は、誰なのかは知らんがね」
「大丈夫ですよ。お兄様が見ていて下さるのですから、妹としての晴れ舞台は失敗しないようにしときます。それに私もそうですが、名無し様の試合の方が楽しみなのですから」
小さく吹き出す音が聞こえたりしていたが、俺と深雪にとっては過保護だと言われても実際は父と娘の会話風景である。深雪がステージに上がると、観客席が大きくどよめいたがまあ予想していたリアクションである。
「そりゃ驚くよね、あれは・・・・」
「でも似合っているよ。花音はそう思わないの?」
「似合い過ぎて驚くって言ってるの」
花音と五十里の会話をちょっとした音楽を聞き流しながら、俺はテキパキとモニターの準備を進める。一瞬でセッティングを終わらせたので、俺や蒼太達から深雪を見るけど・・・・。
『なぜそんなに驚くのだろうか』
と思った俺達。深雪の衣装は白の単衣に緋色の女袴に、白いリボンで長い黒髪を首の後ろで纏めたスタイル。黒髪の纏め方が厳密には異なるが、デバイスの代わりに榊や鈴を持たせると更に絵になる巫女さん。ただでさえ整いすぎている美貌が、その衣装と相まって、神懸った雰囲気さえ醸し出しているが、事実だけを言えば深雪も女神雪音である。なので、まるで女神雪音のような神々しい形容すら過言ではない程だった。
「可哀想に、相手の選手は呑まれちゃってるわよ」
「仕方がなかろうな。あれはあたしでも、チョッと気後れするかもしれん。・・・・ああ、もしかしてそれが狙いなのか?」
俺らの背中から聞こえる真由美と摩利の声は間違いなく、俺らの方に向けられていたので振り返りながら答えたのだった。
「狙いと言いますと?神社でよく見る巫女さんだと思えば、別に珍しい服装ではないかと思われますが」
「・・・・一真君はそれを分かっていて、あのような服装を指示させたのかしら?」
「ま、それが分かっている一真様の策略だと思えばよろしいかと」
蒼太が区切りとして言った事で、俺はモニターのコンソールへ向きを戻した。確かに神社の巫女さんだと思えば納得がいくが、深雪みたいな神秘的な美貌を持っているからか。観客や選手らを驚かそうとしている訳ではないが、実際に着せてみせると俺の策略だと思う程に呑み込まれてしまう程だった。
同じ
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