第二十二話 大庭少佐！作者はスキーで骨折しかけた経験あり！！その十
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まずはビデオの個室に向かった、後はあえて書かない。そうしてとりあえずは出陣の日まで英気を養うのであった。
西郷は桂と大山の話を聞いていた、見れば二人の顔は暗いものになっていた。
その暗い顔でだ、滝を前にして言うのだった。
「全ては我々の責です」
「これまでジャスティスカイザーに敗れてきたのは」
「我等が至らぬせい」
「その為です」
こう言うのだった。
「陸軍衆の者達に責はありません」
「それは我等にあります」
「ですから彼等を責めるのならです」
「我等を責めて下さい」
「おはん達に何の責があるでごわすか」
西郷はその二人に謹厳な声で返した。
「勝敗は戦の常、それに」
「それに、ですか」
「さらにあるのですか」
「そうでごわす、これまで日帝衆が敗れているのはあの二人の姦計にあるでごわす」
そのいつもの汚い小細工故にというのだ。
「正々堂々に対して姦計で挑む」
「二人がそうしてくるからですか」
「敗れていると」
「そうでごわす」
まさにというのだ。
「だからでごわす」
「それでは」
「我等もですか」
「責は問わない」
「左様ですか」
「二人が例え姦計で勝とうとも」
卑怯姑息の極みでそうしようとも、というのだ。
「それで我等を咎める声があるでごわすか」
「この世界にですか」
「そうした声が」
「あるでごわすか」
まるで琥珀の様に澄んだ目での問いだった。
「ないでごわすな」
「言われてみれば確かに」
「そうした声はありません」
「同情の声が辛いですが」
「咎める声は」
ないとだ、二人も言う。
「全くです」
「ないです」
「むしろ彼等の方をです」
「強く批判しています」
「そうでごわすな、あの二人こそがでごわす」
勝者であるジャスティスカイザーこそがというのだ。
「外道として批判されているでごわす」
「しかしこのままでは」
「我等はです」
「勝てません」
「このまま防がれ続けていては」
「案ずることはないでごわす」
西郷の声はあくまで落ち着いていた。
「勝利は必ずや最後には大義に微笑むでごわす」
「大義、我等の」
「それにですね」
「ジャスティスカイザーに大義はないでごわす」
そもそも二人はその様なことは意識したことがない、ただ金と女と遊びのことだけしか考えていない。煩悩のみで動いているのだ。
しかしだ、日帝衆はというのだ。
「しかしおいどん達にはあるでごわす」
「それ故に」
「最後に勝つのはですね」
「おいどん達でごわす」
確かな声での言葉だった、そして。
西郷は二人にだ、こうしたことも言った。
「最後に勝てばいいのでごわす」
「漢の高祖劉邦の様に」
「最後にですね」
「劉邦は項羽に負け続けてい
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