第四十三話
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紙の裏には一言、
『目を凝らして読むこと』
とだけ書いてあった。
目を凝らすね。
表紙を飾るあの模様と相まって推察される事は一つ。
「この本は貸してもらう事は出来ますか?」
「ごめん、残念だけどね。今ここまで持ち出すのにも結構苦労しているんだ」
ある意味歴史的財産といった所か。
ならば今ここで確認しなければならない。
【なのは、なのはー】
直ぐに俺は俺たちのグループへの念話を繋げる。
【ふぇ?なに?】
俺の念話に少々驚きながらも応えるなのは。
【悪いんだけど、この表紙の裏を『凝』で見てくれる?】
【目を凝らすってそういう事?そんなの自分ですればいいじゃない】
【俺とソラはほら、凝をするとどうしても、ね】
俺が凝をやると弊害で写輪眼が強制発動してしまうのだ。
余り知られたくないのでユーノさんやなのはさんの前では使いたくない。
【ああ、なるほどね】
納得するとなのははその目にオーラを集めて本を覗き込む。
恐らく念による文字が刻んである事だろう。
【えと…どういう事?】
どうやら書いてあった内容が理解できていないようだ。
【なのは、何て書いてあったの?】
俺の質問にもう一度本をじっくりと眺めてから答えた。
【万華鏡を通して見よって日本語で書いてある】
この本に使われている言語は古代ベルカ時代に多くの諸国で使われていたもの。
勿論古代ベルカ諸国の中で日本語が使われている国などはあるはずが無い。
【にしても何で万華鏡?しかもあのおもちゃってミッドに有るのかな?】
なのはが思案するが、思い当たるはずも無い。
【万華鏡…って事は…】
そう念話で呟いたのはソラだ。
【ソラちゃん何か知っているの?】
【………】
それには沈黙で応えるソラ。
まあ、そういう訳なんだろう。
俺は本から視線をユーノさんとなのはさんに向き直る。
「悪いんですが、二人には退出してもらえませんか?」
「え?なんで?」
「暗号の解き方でも発見したのかな?それは僕たちが居ると都合が悪いって事?」
俺の突然の物言いになのはさんはただ混乱するだけだったが、流石に学者先生は誤魔化せなかったようだ。
「はい」
「……なのは、退出するよ」
「え?いいの?」
本を置いていっても、と。
「勿論本を傷つけるような事はしないんだよね?」
「恐らくは」
多分としか言いようが無い。
「じゃあ、30分ほどロビーの方で待っているよ」
終わったら呼んでくれと言い置いてユーノさんはなのはさんを連れて退出した。
二人が居なくなると質問をしてく
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