試練
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……。
「また……全てが終わってしまった。幾度、こんな悲しみを繰り返せばいいのだろうか……」
闇の書の解放によって現れた“私”は、まるで何も知らない子供が縋り付くかの如く、“はやて”の願いを叶えようと動き出す。絶望に囚われた“はやて”の望み、それは家族を奪った者達の抹殺……。それを行ったのが偽物だと知らないまま、本物の“なのは”と“フェイト”が“私”を止めようと死闘を繰り広げる。懸命な説得に耳を貸さず、ただひたすら主の安らかな眠りのために戦う“私”。偽物の二人がどこに消えたのかは置いておき、絶望の闇に沈んで心が壊れていると“思い込んでいる私”には対象が本物か偽物かなどはどうでも良く、とにかく目の前の抹殺対象を葬らんと魔法を展開した。
「咎人達に滅びの光を……!」
この魔力の集束度合、間違いない。これは極大砲撃魔法……星を砕く名前のアレだ。まともに喰らったら流石の彼女達も耐えられない。しかし探知によって結界内に友人、“アリサ”と“すずか”が取り残されていると判明し、何としても二人を守ろうと彼女達はその場へ駆け付け、ありったけの力を注いで防御魔法を展開した。
「星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ! 貫け閃光! スターライト・ブレイカー!!」
とうとう“私”から放たれた極光の砲撃が彼女達を襲い、飲み込む。周囲ごと破壊していく砲撃の中、彼女達は必死に防ぎ続け……耐え切った。そして一般人の二人を転送し、彼女達は再び“私”へ挑む。だが以前に蒐集したのか、彼女達の魔力光と同じ色のバインドが彼女達を捕え、そこに“私”は私が失った広域殲滅魔法デアボリック・エミッションを放とうとする。
このままではバインドを抜け出す前に直撃を受けてしまい、彼女達は撃墜される。そうなればまやかしの世界とはいえ、“はやて”が悲しむに違いない。“私”の中にいる“はやて”は厳密に言えば私の主はやてでは無いが……どうであれ同じ存在だ。私は……“はやて”を救いたい、幻でもこのまま見てるだけなのは嫌だ。
だから……私は……!
「ぉぉぉおおおおおお!!! 震雷ッ!!」
「ッ!!?」
私は兄様仕込みの体術による回し蹴りを“私”に放ち、向こうはどこからともなく現れた自分そっくりな存在がいきなり攻撃を仕掛けてきた事に驚いていた。たまらず“私”は防御魔法を展開し、彼女達への攻撃魔法の発動を阻害する事に成功した。
「え? もう一人の……闇の書さん?」
「ど、どういうこと? なんで彼女が二人も……?」
「しかも今やってきた方は……私達を助けようとしてくれたみたい。でも一体何がどうなってるの?」
「まさかプロジェクトF……? いや、でも……」
後ろの方で“なのは”と“フェイト”が困惑しているが、それも当然だ。なにせ双子でもないのに
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