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リリなのinボクらの太陽サーガ
試練
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込んでいき……初めて封印を解く認証条件を満たした。

「扉が……開いた……。アクーナの民の血、それを装置に入力する事で仕掛けが解かれる仕組みか。知らなかったとはいえ、シャロンにはすまない事をさせてしまったな……」

「ごめんなさい、シャロン。僕もまさかこんな……血を流させる事で開くとは思わなかったんだ……本当に、ごめん」

「う……うぅ……手が……手に針が刺さって痛かったよぉ……」

『しばらくそっとしてあげて。シャロンは皆みたいに痛みに強い訳じゃないから、落ち着く時間が必要だもの』

「そうだろうな……。マキナ、この先はシャロンと二人で私達が安全を確認してから付いて来るようにしてくれ。こういう危険な荒事は私がやるべきだし、君達がこれ以上傷つかないようにしたい。それに……二人には見ていて欲しいんだ、私が君達に償おうとしている姿を」

「………………」

「もう二人を危険な目には遭わせない。君達の心は、私が守る。それが二人にできる、唯一の償いだから!」

かつてこの世界を崩壊させてしまったからこそ、私は生き残った二人に向き合って宣誓した。これは主はやてに騎士達と共に誓ったものとは少し異なる。あちらは過去の贖罪を行う事で心から幸福を受け入れられるようにする、未来への誓い。そしてこちらは犯した過ちと無力を忘れないようにする、戒めの誓い。主はやてに誓ったものが私の“光”を象徴するならば、先代主の娘マキナと生存者シャロンに誓ったものは私の“闇”を象徴している。

光と闇。それは表裏一体であるが故、決して分かたれる事はない。光を求めれば求めるほど、闇はその存在を主張する。でもそのおかげで闇を忘れずに済むから、光の大切さを思い出すことができる。そう、どちらかでも失ってしまえば、私の贖罪は意味をなさないものになってしまう。だから私の光である主はやてと同様に、私の闇であるマキナとシャロンも絶対に守らなければならないのだ。

「ユーノ、僭越ながら先鋒は私に行かせてくれないか? 試練に何が出てくるのかわからない以上、危険度の高いことは私が引き受けたい」

「……わかった、リインフォースの強い覚悟はよく伝わってきたよ。マキナ達のために率先して危険な事を引き受けようとしているって、並大抵の覚悟じゃできないもの。だから僕もリインフォースの気持ちを尊重するね」

「ネロがやろうと決めたのなら、俺は止めはしない。だが危ないとわかったらすぐに引き返せ。ネロの命は、もうネロ一人の物ではないのだからな」

兄様とユーノの許しをもらえた事で、私は封印から解放された扉の向こうへ、皆より先に足を踏み入れる。開いたとはいえ扉の境目が虹色に輝く水面のように揺らいでおり、得体のしれない仕組みがされているのだと一見するだけでわかる。恐らく証を示せなかった調査
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