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リリなのinボクらの太陽サーガ
試練
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る。要するに……結晶は人間で作られているんだ」

『ッ!!?』

「だから結晶を使うという事は、死者の身体を使っている事になる。恐らく“新鮮”な結晶は新しい死体から生まれて、くすんだ結晶は栄養分を失った古い死体から生える。一時期大量に純度の高い魔導結晶が発生したのは、11年前の大破壊で大勢の死者が出たため……しかし近頃純度の高い結晶が少なくなっているのは、新しい死体がこの世界に生まれていないからだろう」

「……!」

「こういう循環になっているのは、限りある養分を無駄にしないように、ニダヴェリールが生きようとして選んだ方法だ。死体から生えた物を使っている事で気持ちが悪いとか、忌避感を抱くのは人として仕方ないのかもしれない。だが、この世界は生きるために出来る事をしているだけだ……決して忌み嫌う必要は無い」

『…………』

驚きの真実を知った事で全員言葉も出ない様子だった。特にシャロンやマキナは、自分達の世界が生み出した特異なシステムに、少なからずショックを受けているようだった。尤も人に害をなすどころか、益を与えているのだから別に構わないだろう。結晶は養分の塊……それを行き渡らせていたから、以前のこの世界の土壌は自然が豊かだったのだろう。
だが今のニダヴェリールは、その養分の塊である結晶を管理局によって採掘され尽くしている。それ故この世界の土壌で自然が再生できず、荒廃したままなのだ。ニダヴェリールが世紀末世界みたく荒廃しないようにしているのであれば、俺としてはそちらを優先してもらいたい。
しかし次元世界や管理局の人間はそれを許さないだろう。魔導結晶はエネルギー源としてはあまりに優秀過ぎる……絶対に手放す訳が無い。だから今後も結晶は採掘され続け、自然は再生できないまま……いつかニダヴェリールは滅びを迎える。

「これがこの世界の真実だ。搾取され続け、いずれ滅ぶ現状に納得が出来ないのなら、おまえ達が自分で何とかするしかない」

『………』

「長く話し過ぎた……そろそろ先へ進むぞ。アンデッドは俺が片付けるから、その後に来るようにしろ」

そう言って俺は、近くを徘徊しているグールを片っ端から倒すべく走り出す。まぁ、あいつらにも少し落ち着く時間が必要だろうからな、その間に安全を確保しておこうと思っただけだ。

[ホント、お兄さんは素直じゃないね〜♪ でもね、本当は誰よりも優しいってこと、ちゃんとわかってるよ。そういう人だから、ボク達も魅かれたんだ……]


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