アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
閑話 咎を背負う者
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「ヒャッハアアアァァァァァアアア」
「オラオラ、死ねやぁ!!!」
「けひひひひ、その程度かよォ!!!」
「ギャハハハハァァ、モット、モット殺させろやァ!!!!?」
「後退だ、後退しろ!!」
「HPがヤバい!回復してくれ!!」
「無理だ!?結晶は残り僅かなんだぞ!!」
そのフィールドは阿鼻叫喚としていた。絶えず響く怒号のような叫び。切羽詰まったような叫びに悲愴感に満ちた叫び声を出すものもいる。挙句の果てに、恐慌状態に陥るものまで出てきて混沌と化していた。
◆
事の始まりは、ラフィン・コフィンのメンバーの一人が攻略組にラフィン・コフィンのことを密告したことである。
デスゲーム開始から一年がたった大晦日の夜に野外パーティーを楽しんでいた小規模ギルドを襲い、全員殺害されたという事件が起こった。その事件の犯人たちは自らをレッドギルドと称し、≪ラフィン・コフィン≫なるギルドの結成が情報屋を通じて告知された。それをまとめていたのが≪PoH≫というプレイヤーである。血盟騎士団団長≪聖騎士≫ヒースクリフとは異なるカリスマ性を持ち、徐々に仲間の心理リミッターを緩めていったのである。その情報を得た攻略組は即座に情報屋たちに≪ラフィン・コフィン≫のアジトを探すように依頼し、第一層からしらみつぶしに捜索にあたっていたがそれが発見されることはなかった。
しかし、今回の密告者のおかげで≪ラフィン・コフィン≫のアジトが判明した。そのため、聖竜連合をはじめ、血盟騎士団などの有力ギルドからソロプレイヤーまで召集され、大規模な≪ラフィン・コフィン≫討伐隊が結成され、そのための作戦が立てられた。
そして、八月某日 午前三時。犯罪ギルド≪ラフィン・コフィン≫の討伐作戦当日。
部隊の人数も平均レベルも≪ラフィン・コフィン≫を大きく上回っているであろう討伐隊は、アジトとなっている低層のフロアダンジョンの安全地帯の出入り口をふさぎ、≪ラフィン・コフィン≫の討伐作戦が始まった。
―――――しかし、世の中そう上手くことが進まないのが常である。
突入した安全地帯の大部屋に≪ラフィン・コフィン≫のメンバーは一人もいなかった。それを疑問に思う攻略組だったが、その疑問はすぐに解決された。≪ラフィン・コフィン≫のメンバーはダンジョンの枝道に隠れ、突入した攻略組を背後から奇襲したのである。
結果的に深夜に強襲する作戦が逆手に取られてしまった。≪ラフィン・コフィン≫のアジトが攻略組に密告されたように、攻略組の討伐作戦も≪ラフィン・コフィン≫側に密告されていたのである。
それは罠、毒、目晦ましといった、ありとあらゆる準備を整えたうえでの不意打ちだった。しかし、そこはさすがの攻略組というべきか、すぐ
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