アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
閑話 咎を背負う者
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力をBとする。その点はさすがというしかないが、ここに落とし穴があった。Aに流されずに体勢を保つということは、必然的にBはAと同じ力の大きさ、向きであるということ。所謂、力が釣り合っている状態であるということだ。ここまではわかったか?」
「う、うん・・・」
「なら、この力が釣り合っているところに更なる力を加えたらどうなる?簡単だ。力の均衡は崩れる。だが、問題はそこではない。AとBが釣り合っている状態のときにおれはPoHを蹴り飛ばした。その時の力をB´とする。B´が加えられたことにより、力の均衡が崩れたからPoHの踏ん張りが利かずに吹き飛んでしまったという訳だ」
「で、でも、だからって、あんなに・・・」
「そう、普通ならあんなに飛ぶことはない。ならばなぜあれほどまで吹っ飛んだのか。それはB´がBと同じ力の向きをしていたことに原因がある。簡単に言えば相乗効果だ。それにより、BとB´が合わさり、Aとの均衡をたやすく破りあそこまで吹き飛んだということだ。OK?」
ソレイユの説明に唯頷くことしかルナにはできなかった。言ってる本人は特にたいしたことをしていないというふうな感じだが、他人からしてみればそれをあの一瞬でそれをできてしまう力量に舌を巻くしかない。説明を終えたソレイユはPoHが吹き飛んでいった方向に悠然と歩いていく。ある程度距離が詰まると倒れていたPoHが立ち上がり、忌々しげにソレイユのことを睨みつけていた。そこでようやくソレイユが現れたことを討伐隊と≪ラフィン・コフィン≫認識した。今まで争っていた手を誰もが止め、双方とも黙ってソレイユのいる方向を向いた。注目を浴びるソレイユは溜息を吐きながら何度か首を横に振っている。しかし、その挙動とは裏腹にソレイユが醸し出す雰囲気にここにいる全員があてられていた。
「≪ラフィン・コフィン≫のメンバーに言っとく。警告は一度きり、だ。死にたい奴だけ武器を持て、死にたくねぇんなら武器を捨てて投降しろ」
いきなりの宣告にわけがわからない≪ラフィン・コフィン≫のメンバーたち。それは討伐隊も一緒だった。そんなことを言って≪ラフィン・コフィン≫のメンバーが投降すれば、苦労はないのである。現にソレイユの言葉を一番近くで聞いていた≪ラフィン・コフィン≫のメンバーの一人は狂った笑みを浮かべ、ソレイユの言葉を嘲笑うかのように武器を振りかざしてソレイユに突進していく。
「何言ってんだヴァーカっ!!殺せるもんなら殺してみろってんだぁ!!ああ!!?」
「・・・・・ハァ」
≪ラフィン・コフィン≫のメンバーの言葉を聞いたソレイユは一度だけ溜息をつくと何も感じさせない瞳でそのメンバーのことを見ていた。
「・・・警告は一度きり、といったはずなんだがな・・・」
突進してきたメンバーの攻撃を避け
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