アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
閑話 咎を背負う者
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たりに響き渡った。恐る恐る目を開けると、目の前にはアスナを庇うように立っている黒衣の剣士がいた。しかし、その表情を見る限り自責の念に駆られているようだった。ここが乱戦のさなかだということを忘れて、アスナを助けた黒衣の剣士、キリトは呆然としていた。その表情を見てしまったアスナは何も言うことができずにいた。その時、遠くからキリトに向かって叫んだプレイヤーがいた。
「なにボサっとしてやがンだ、キリト!!気をつけろ、そっちに厄介なのがいったぞっ!!」
叫んだプレイヤー、クラインの声に反応して我に返ったキリトが周りを見回すと、キリトに向かって武器を振るうものがいた。咄嗟にそれを剣で受けると、相手は舌打ちをして距離を取る。そのことにより相手の顔を確認できたキリトは、驚きのあまり大声を上げた。
「・・・・・ザザっ!?」
「ひさし、ぶり、だな、黒の剣士」
不意打ちじみた攻撃でキリトを狙ったのが独特の喋り方で会話するエストック使いの≪赤眼のザザ≫であった。そのわきにはもう一人プレイヤーがいた。毒の塗られたダガーを持つそのプレイヤーの名は≪ジョニー・ブラック≫。毒ダガー使いとして有名であり、赤眼のザザの相方でもある。
「トップスリーが今頃お出ましかよ・・・。PoHはどうした?」
「くっくっくっ、さぁ、な」
「ヘッドのこと気にする余裕があるのかよっ!!?」
そういって攻撃を仕掛けてくるジョニー・ブラック。それに続くように赤眼のザザも攻撃を繰り出してくる。手加減が効く相手でもないので、キリトとアスナは全力で迎え撃っていく。
◆
何合うちあったかなど数えるのが馬鹿馬鹿しいほど剣戟を繰り広げているが、依然としてルナの表情から焦りが消えることはなかった。剣を打ち合いながらも打開策を探そうとしたが、やはりというべきか、それはかなわなかった。
大型のダガーから繰り出される攻撃は、ルナの空所を的確に狙っている。それを流水の如き動きでギリギリで回避して得意のカウンターを仕掛けようとするルナだが、ダガーの長所でもある取り回しの良さを生かされて簡単に防がれてしまい、逆にカウンターをもらってしまう始末である。自分の得意技が封じられるという精神的に辛い状況になっている。それだけではなく、さらに追い打ちがかけられている。それがPoHのもつ大型のダガー≪友斬包丁≫である。それはソードアート・オンラインの中でも最高峰の切れ味を誇り、プレイヤーメイドの武器をしのぐほどのものと言われている。そんな武器と何合も打ち合えばこちらの武器が危うい。武器をなくせば身を守るものがなくなり、目の前の相手がそうやすやすと見逃してくれるはずもないので、殺されるだけとなってしまう。それだけは絶対に避けたいルナであった。
―――――それでも現実とは残酷なものであ
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