アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
閑話 咎を背負う者
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をhuntできなかったからな。もう一度聞くが何か希望はあるか?」
何を、とは聞くまでもないだろう。その言葉を受けた流水はPoHを見据えながら口を開いた。しかし、その口から出た言葉は虚勢がいいところだった。
「前と同じ言葉を返すよ。あなたたちが私たちに捕まるって言うのはどう?」
「くっくっくっ、そのbluffがいつまで続くか、見ものだな、流水!!」
PoHが愛用している武器≪友斬包丁≫を構え、ルナに向かって突進してくる。先制攻撃はPoHから始まった。横なぎに払われる大型のダガーを避けると、そのまま切りかかっていく。ルナの顔には極度の焦りがあるのに対して、反撃に出られたPoHは獰猛な笑みを浮かべていた。ただでさえ危機的状況にあるのにもかかわらず、強敵であるPoHの相手をしなければならないのだ。焦るな、というのが無理な話である。
何か打開策がないか考えようとするが、目の前の相手がそれをさせてくれない。今のルナはそんな八方塞な状態のさなかであった。
◆
ルナがPoHとやり始める少し前、アスナは・・・いや、アスナも焦っていた。
討伐隊の勢力を考えて無血投降させることも十分可能と考えていたが、今の状況になって初めてそれが不可能であると理解していた。
戦況を見てみれば、防戦一方になっているだけでなく所々崩され始めている。このままいけば死者が出てしまうだろう。故にアスナは焦っていた。
今の状況をどう打開すればいいのか頭をフル回転させるが、いい案が思い浮かばない。単純なレベルの差で無血投降が可能などと甘い考えをしていた過去の自分を殴り飛ばしたいと考えてしまうアスナであったが、それがいけなかった。
考え事をしていたアスナは無防備とはいかないまでも、致命的な一瞬の隙を相手に与えてしまう。その一瞬を見逃してくれるほど相手はおろかではなく、軽装備の片手剣使いに懐に入られてしまう。即座に迎撃しようとするが、相手のHPが危険域にあるのを見たアスナは迎撃の手を止めてしまう。
しかし、そんなことに構わず、軽装備の片手剣使いはアスナの細剣を跳ね上げるように片手剣を切り上げた。それにより細剣は弾き飛ばされ、腕を跳ね上げられた無防備な状態になってしまい、思わず声を上げてしまう。
「あっ・・・」
それを見た軽装備の片手剣使いは、狂った笑みを浮かべながら片手剣に赤いライトエフェクトを纏わせると、ジェットエンジンめいた轟音を立てながら鋭い突きが放たれる。武器がないアスナには攻撃をはじくこともガードすることもできず、迫り来る死の刃を直視しないように目を瞑ることしかできなかった。しかし、目を瞑ったアスナに死の刃が届くことはなく、代わりに届いたのは
「おおおおぉぉぉぉ!!」
という声であった。そして、その直後にポリゴンの破砕音があ
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