第六話 武器変更
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べヨ」
全く迷わなかった。むしろそんなのどうでもよかった。
「おっ前ひっでえこと言うのなっ!?少しは心配とか、そういうのはないわけ!?」
「リュウ兵にそんなことしても無駄ダロ。それに、そんなことされても嬉しくないクセニ」
「私をなんだと思っとるのかね君は。これでも一応人の子なんだぞ」
「一応をつけるあたり、自覚アリと見たゾ」
「なんの自覚かわたしゃさっぱり分かりまへんな」
「遊んでないで、さっさと終わらせろヨ」
これはさすがに無慈悲すぎたか、と言ってから思ったアルゴだが、リュウヤは気にしたそぶりもなくすくっと立ち上がって武器が集められている場所へ歩いていった。
「ま、そだな。確かに遊んでるヒマなんてあるならレベリングした方がいっか」
リュウヤは言いながら「どれにしよっかな〜♪」と武器を物色する。
そんな彼の姿を見て、アルゴはどうしても言いたくなってしまった。
「リュウ兵は、ホント《天邪鬼》ダナ」
人の予想を裏切るのが大好きで、誰かにこうあって欲しいと思われると背きたくなる。
まるで天邪鬼だ。
リュウヤはその評価に対してこう述べた。
「そっか……」
その短い感想の後、彼は自分に相応しい武器を見つけることになる。
人は言う。正義の反対は悪だと。
だがそれは、正義の裏が悪だとも言えるのではないか。
キリトが無駄な被害を出させないためという“正義”を抱いて“悪”の仮面を被ったように。
キバオウたちが、真実を知らないためにディアベルを殺したという名目で“正義”を掲げ、結果それは“悪”であったように。
しかし、それらのことさえも、主観でみればどちらも本当の正義であり本当の悪である。
だからこそ、正義と悪は表裏一体。ほんの少し状況が変わっただけでひっくり返ってしまう。
だから、主観的に見ても客観的に見ても、絶対の正義も絶対の悪も存在し得ない。
元は悪にいた人が正義の道を歩むように、ダークヒーローに救済措置があるように。
ならばここで一つ問おう。
悪の仮面を被り正義を貫いた男にも、悪を内包した正義を振りかざす男たちにも味方せず、その両方を敵に回した男はいったい何者なのだろう。
人を傷つけないように自分を傷つけてことなきを得ようとする自己犠牲は、客観的に見れば正義だろう。その真相を知るものからの主観的な見方でさえそうだ。
だが、人を傷つけないために敢えて人を傷つけるこの行為は、いったい何と呼ぶのか。
更に、人を傷つけないために人を傷つけ、自分は何も傷つかないという行動は、いったい何と呼ぶのか。
だから彼は問うのだ。
自分はいったい何者なのだろうか。
正解はすぐに出た。もはや
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