第六話 武器変更
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のアルゴの心中を察してやれないはずもなく、彼は苦笑する。
「おいおい、お前が負い目感じる必要なんもないのよん?皆無だ皆無」
「ケド……」
「あのなぁ、あの場にいたプレイヤー全員のヘイトを、あんな、たかだか中坊程度に負わせられっかって話なんだよ」
リュウヤはやれやれといったように肩をすくめた。
「それに、あいつのやり方じゃあ《ビーター》ってのが複数いるって勘違いしちゃうだろ。“疑わしきは罰せよ”って言葉、もちろん知ってるよな?」
アルゴは小さく頷く。
つまりそれは、『無関係な人まで巻き込んでしまう』ということなのだと、彼は言っているのだ。
逆に言えば、彼のやり方だと『自分一人しか巻き込まれない』ということになる。自分以外の存在を仄めかさなかったのだから。
しかし、それは《ビーター》とは比べ物にならないヘイトをその身に受けてしまうということだ。
標的が一人しかいないのなら、その一人だけに集約してしまう。
彼は今、とんでもない地獄にいる。
そう言っても過言ではなかった。
ーーーなのに彼は。
「ああ〜、ったく辛気臭い顔しないでほしいんだけど……。んじゃあここで一つクイズだ」
アルゴの表情が暗くなる一方、それを案じたのかリュウヤはぴんと人差し指を立てた。
「俺は、何者でしょう」
「……は?」
「や、そんな『あんたバカァ?』みたいな顔されても……」
「あんたバカカ?」
「お前、マジで殴ってやろうか?」
「ああん?」と言いながら拳を構えるリュウヤを完全に無視してアルゴは考える。
クイズの答えではなく、その質問の意図を。
が、それはすぐに止めた。理由は明白、考えても分からないからである。
あまりにも漠然としたクイズに、答えがわかるわけがなかった。
「分かんないネ」
素直に答えを求めると、リュウヤはバカにしたようにこう言った。
「俺は俺だろ」
………。
「ここって圏内だよナ?殴ってもオレンジにはならないよナ?」
「待ってお願い!最後まで話を聞いてぇ!?」
「ジャア言ってみナ」
ギロリとひと睨みしたはずなのだが、リュウヤは悪びれもせずに態度を戻した。
「俺はいったい誰なんだって話だよ。アルゴは情報屋、キリトはビーターだ。なら俺は?俺はいったいなんなんだろうな、って」
しかし、どこか悲しげに言う彼の瞳は空に向けられている。正確には第五層の天井で第六層の底であるものを。
「リュウ兵……」
「はっ、すまん。らしくねえよなこういうの。忘れてくれ……」
リュウヤは軽く頭を振って、やはり哀しく笑う。こんな彼に、なんて言葉をかければいいのかーーー
「哲学なんか考える暇があるなら武器選
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