第六話 武器変更
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ピンと来ないんだよなあ」
言いつつ、リュウヤは両手剣を手に庭の中央へ戻っていく。
「ていうカ、リュウ兵、片手剣そんなに合わないのカ?」
「あれは単に武器が強かったからだし、最初はそんなに違和感なかったんだけど、使ってるうちにだんだんとそれが膨れ上がってきてさ。もう無理だなって」
「じゃあもう片手剣は使わないんダナ?」
「新しい武器見つけて、それが前線で使えるようになったら変える。さすがにいきなり変えたりしねえよ。死ぬわ」
笑いながら、リュウヤは風切り音を鳴らしながら両手剣を素振りする。
ブン、ブンと数回ほど振り回すと、両手剣をポイと投げいきなり大の字に寝転がった。
「だぁぁぁ!!めんどくせえしイライラする!」
「ソレは両手剣に対する評価カ?ソレトモ見つからないからって八つ当たりなのカ?」
「どっちもだよクソッタレ!」
「オイラに八つ当たりしないでほしいんだケド……」
頬をポリポリかくアルゴは、内心「もう帰っていいかナァ」とぼやいていた。
芝生にゴロゴロ転がり「ああああ〜」とか言っているリュウヤを放って帰るのも確かにいいが、それはもったいない気がして帰るに帰れない。
リュウヤの情報がほとんどないアルゴにとって、彼が武器を変えるという情報は貴重だ。さらに変更した武器をも知れると言うのならここに留まる価値は十分にある。
「ああ、そうだ。アルゴさんよ、《ビーター》の噂って今どんくらい広まってんのん?」
リュウヤはゴロゴロ転がっていた体を起こして、あぐらをかいて尋ねる。
かなり唐突に聞いてきたものだから、びっくりして返答に時間がかかった。
「そうだナ、今の所《最前線》で戦ってるヤツラくらいにしか広まってないようだナ。どっかの誰かさんのおかげデ」
嫌味ったらしく言ってやると、リュウヤは嫌な顔一つせず逆に笑って別の質問を投げかけた。
「じゃあそのどっかの誰かさんのうわさは?」
「そりゃもうかなりの人が知ってんじゃないのカ?“悪逆非道をゆく人でなしの殺人者”ッテナ」
「アッハッハッ!ボスを使っての《MPK》ってか?笑わせてくれるねぇ」
「……」
「悪逆非道ってのもいいねぇ。仕上がってんじゃんかよ。悪事千里を走るってことわざは伊達じゃあないね」
ケラケラと笑うリュウヤは愉快そうに笑みを深める。まるで他人事のように。
自分のした行いのデメリットを全て分かって引き受けているくせに、それは自分ではないというように。
アルゴは無意識に歯をくいしばる。
彼のおかげで情報屋稼業を続けていられているというのに、彼のおかげで生きているといっても過言ではないのに、彼に対してやってやれることがない自分の無力さに打ちひしがれる。
リュウヤがそ
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