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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第475話】
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れる、彼女が振り向いた先に居たのは飯山未来、接点など全然無く、ただただ驚きに支配されていた。
「少し良いかな?」
「…………」
返事がないものの、待っていても埒があかず、未来は隣へ移動すると近くの椅子を取り寄せ、それに腰掛けた。
目の前のガスオーブンを眺めつつ、未来は口を開く。
「ねぇ、何でヒルトと一緒に訓練しないの?」
「…………」
簪は黙ったまま伏し目がちのまま顔を下げる。
「んー、噂は聞いてるんだけどさ。 ……今は大会中何だし、ヒルトと少しでも一緒に訓練した方が良いんじゃないかな? そのあとなら、織斑君の所に言っても誰も文句言わないと――あ、篠ノ之さんが怒っちゃうかな? ふふっ」
怒る篠ノ之箒を思い出したのか苦笑がこぼれ出る未来――と。
「……ヒル、トは……私にとって、ヒーロー……じゃ、なぃ、から……」
「え? ……ヒーローじゃないって?」
未来は首を傾げる、唐突なヒーロー発言の意味が理解できなかったからだ。
其処から簪は事の敬意を未来に言った、不思議と簪自身、彼女に打ち明けて理解してほしかったのかもしれない。
全ての説明を終える頃には、ガスオーブンは止まっていて微かに甘い匂いが調理室に漂っていた。
「ヒルトは優しくない、かぁ……」
「ぅ、ん……」
「……優しさって、何だろうね?」
「え? ……ぇっ、と……」
未来の口から出た言葉に、どう答えたらいいかわからない簪。
「人によって優しさの感じ方って違うじゃない? ヒルトは更識さんにとって厳しい言い方したかもしれないけど、でもそれだって貴女の事を思って厳しく言ったと思わない?」
「…………」
黙ったままの簪、未来はそんな彼女を見つめながら言葉を続けた。
「今は分からないかもしれない、でも……貴女にもいつかわかると思う。 ……せめてさ、機体完成のお礼はした方が良いんじゃないかな? 少なくとも、ヒルトが居なかったら貴女の機体、こんなに早くは完成してなかったかもしれないし」
「…………」
小さく頷く彼女を見て、未来は椅子から立ち上がるとスカートの裾を正した。
それと同時にオーブンが止まる音が鳴り響く。
「それ、ヒルトにも作ってあげてね?」
「ぅ、ぅん……」
「約束、だからね?」
「………………」
念を推して伝える未来に力強く頷いた簪、上手く伝えられた自信はない未来だったが、少しは彼女に伝わったかと思うとほっと胸を撫で下ろした。
そのまま彼女に手を振り、調理室を後にする――広まった噂は消すことは出来ない、でもここから真摯な対応すれば彼女も
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