sts 14 「謎の少女」
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分が悪いものではない。お前を含めてな」
「俺も先生が元気そうで安心しましたよ。教え子達は元気がない方が嬉しいでしょうけど」
「人を鬼教師のように言うのはやめろ。まともに学校生活を送っていれば私は何も言わん……まあ剣に関しては別だがな」
そんなのは言われなくても分かってますよ。剣を教えてくれている時のあなたは本当に鬼のようでしたから。
「せっかくの休日を邪魔しても悪いしな。私はそろそろ立ち去ろう……暇な時は尋ねて来い。そのときは剣の続きを教えてやる」
「それはありがたいですけど、先生の剣を習得するには時間が掛かりますからね。当分は無理ですよ」
「そんなのは理解しているし、こちらにとっても都合が良い。錆び付いた今の腕では大したことは教えてやれないからな」
「いったいどこまで教える気ですか……俺は先生以外にも剣を習った相手がいますから、純粋な雪影流の使い手にはなれませんよ」
俺の剣は元々我流であり、それをシグナムとの訓練で強化してきた。そこに雪影流の教えが加わって昇華されたのが今の俺の剣術だ。
そもそも雪影流は刀を用いる流派。俺の剣は直剣が主であり、複数同時に扱うこともあれば合体させて使うこともある。雪影流の技を使えたとしても、真の雪影流とは呼べないだろう。
「俺とは別の後継者を見つけたらどうです?」
「私は普段はただの教師だ……それに剣に関しては鬼教師だからな。並大抵の根性では逃げ出すのがオチだろう。そのように言うのならばお前が誰かしら連れて来い」
「人の退路を立つような言い方しないでもらえますかね……まあ誰かしら居れば連れて行きますよ」
「そうか、では気長に待っていることにしよう」
颯爽と去っていく織原先生の姿は率直に言ってカッコ良かった。異性には怖気づかれ、同性には黄色い声を上げられそうなほどに。
会話が終わるまで大人しく待ってくれていたエリオ達の頭を撫でた後、俺達はシャーリーのプランをクリアするために歩き始める。次の課題はウィンドウショッピングである。
道中ふたりを心配したスバル達から連絡が入ったが、こちらのプランを聞くと呆気に取られた反応をしていた。シャーリーのプランが完全にデート用のプランなため当然の反応だろう。まあ俺が一緒なので変なことにはならないだろうということで落ち着いたが。
将来的には自分の子供を連れて今日のような1日を過ごすのだろうか、などと考えた矢先、何か重いものがずれるような音が聞こえた。
「お兄ちゃん?」
「キャロ、悪いがちょっと静かにしてくれ」
神経を研ぎ澄ませていると、再びかすかにだが同じ音が耳に届いた。
――場所は……ここからそう離れてはいない。……だがそれらしい音を発する存在はこのへんには感じられない。一般的に考えて空中じゃないだろう……とい
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