暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 14 「謎の少女」
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に魔法に関連している話を出来ていることに疑問を抱く者もいるだろう。
 理由を簡単に言ってしまえば、織原先生は地球で教師になる前は魔導師として活動していたからだ。
 今の説明でも分かるだろうが、織原先生はすでに魔導師は引退している。だが彼女は《雪影流》と呼ばれる古流剣術の達人であり、その実力はシグナムに勝るとも劣らない。
 しかし、この評価は正確ではない。
 俺は中学を卒業してから最近まで織原先生に剣の手解きを受けていた。それから考えれば、彼女が魔導師を引退してから長い時間が経過しているのは明白だろう。
 また織原先生が魔導師を引退したのは元々魔力量が少なかったのも理由らしいが、それに加えて負傷によってさらに魔力が減ってしまったかららしい。つまり、全盛期の彼女はシグナム以上の腕前だった可能性が極めて高いのだ。

「兄さん、この方は?」
「あぁ……簡単に言えば、この人は俺の中学時代の担任で剣の師匠だ」
「え、お兄ちゃんの?」

 ふたりとも興味を持ったようで織原先生に視線を向けるが、織原先生の視線は前線を退いた今でも充分に鋭い。故にふたりが怖がってしまうのも無理がない話だ。
 織原先生は仕方がないといった風に笑みを浮かべてくれている。魔導師引退後に教員免許を取ったのだから子供は好きなはずであり、またよくあることなので当然……のようにも思えるが、実際は少なからず傷ついている気がする。

「目つきが怖いのは分かるが悪い人じゃない、大丈夫だ」
「おい夜月、それはフォローになっていないように思えるが?」
「だったらその目つきの悪さを直してください」
「馬鹿者、生まれつきなものを直せるか」

 なら、その武人みたいな佇まいというか雰囲気を変えてください。先生が未だに独り身なのはそこに理由があると思います。

「何か言いたいのなら素直に言ってみろ」
「いえ別に……」

 ここで馬鹿正直に言うのは殴られて快感を覚える変態だけだ。織原先生に剣の手解きを受けた経験のある俺には、彼女の繰り出す技の威力は身に染みて理解している。技を使わなくても鉄拳だけで充分な威力があるだけに話題を変えるのが無難だろう。

「ところで、何で今日はこっちに?」
「……まあいいだろう。その質問に答えるなら、お前の義母親に用があったからだ」
「義母さんに? ……刀剣型デバイスの意見でも求められたんですか?」
「まあそんなところだ」

 俺の聞いた話では織原先生のデバイスは、義母さんが開発したものだったらしい。故にふたりの間にはそれなりの繋がりがあり、俺が義母さんに師匠になりえる人物を知らないか聞いた時に織原先生の名前が挙がったのだ。

「すみません、うちの義母が……」
「気にするな、どうせ今日は暇だった。それに知り合いの元気な姿を見るのは気
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