2部分:第二章
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の私の立場は」
「危ういものになるでしょう。しかし一つそれを免れる方法があります」
「それは一体何だ?」
「私を王に献上し妃の一人として下さい」
ここでこう申し出たのだった。
「そうすれば王は私を必ず寵愛されるでしょう」
「確かにな」
この女の美貌はよくわかっていた。王とてもだった。この言葉もまたよく頷けるものであった。
「その通りだ。そなたならば」
「だからこそです。是非共私を王に献上して下さい。そうすれば私の子が王の子となります」
「私の子がな」
このこともわかっていることであった。
「王になるのだな」
「そうすれば貴方様への禍はなくなります。王の子となるのですから」
「そなたが身ごもってまだ間近い」
春申君はここで言った。
「そしてそれを知っているのはだ」
「貴方と私だけです」
誘惑の言葉だ。しかし彼はこれをこの時は救いの言葉と思ってしまった。破滅の言葉とは知らずにだ。
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