第五十五話 最後の戦いその十一
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花吹雪もだ、戦いが終わると。
完全に消え去っていた、その花吹雪が消え去ったのも見てだった。
薊は今度は教授を見てだ、彼にも言った。
「約束は守るよな」
「確かにね」
「あんたは詐欺師っていうけれどな」
「詐欺師でも約束は守るよ」
飄々とした口調でだ、教授は薊、そして少女達に答えた。
「特に組織の決まりはね」
「そうか、それじゃあな」
「しかし。人造人間にも心があるのか」
このことについてだ、教授は考えはじめた。
「だとすれば非常に興味深い」
「ほう、ようやくその考えに至ったか」
伯爵は教授のその言葉を聞いて楽しげな声をあげた。
「卿も」
「皮肉かね?」
「いや、卿を評価しているからこその言葉だよ」
皮肉ではなく、というのだ。
「卿ならば何時かと思っていたがね」
「人間とは何か、魂とは何か」
教授はこうも言った。
「時間を使って考えていこう」
「そうすべきだよ、そして」
「そしてなんだね」
「いい結論に至ることを祈るよ」
伯爵は教授にこうした言葉もかけた。
「私はね」
「まるで友に言う言葉だね」
「おや、我々はそうだったのではないかね?」
「ライバルとは思っていたがね」
「日本には面白い言葉があるのだよ」
微笑みまた言った伯爵だった。
「強敵と書いて『とも』と読む」
「面白い言葉だね」
「私もそう思うよ、しかしね」
「私達はか」
「そうした関係ではないかね」
「だといいがね」
教授も今は微笑みだった、そのうえで。
薊達にはだ、こう言った。
「さて、君達とはおそらくもう会うことはない」
「二度とか」
「戦いは仕掛けない、絶対にね」
「それでか」
「約束はした、そして私もこの約束は守る」
絶対にというのだ。
「神と組織に誓ってね」
「神様?キリスト教のかよ」
「如何にも、これでも敬虔なクリスチャンのつもりだよ」
「錬金術とか魔術をしていてもかよ」
「如何にも。科学もだがあらゆる学問は神のお力から成り神に捧げるものだからね」
いささかこの教授独自での考えではあるがだ、確かにキリスト教の考えではあった。
「間違っても異端ではないよ」
「そうなんだな」
「そうだよ、だからね」
教授はさらに話した。
「私はまず神に誓ったんだよ」
「そうなんだな」
「さて、ではね」
「では、か」
「私はこれで去るよ」
「この屋敷からかよ」
「この屋敷いは気が向いたら戻るよ」
屋敷についてはこう言うのだった。
「非常に気に入っている別荘の一つだからね」
「そうするんだな」
「しかし君達にも君達の子孫にも二度と合わない」
このことはまた言ったのだった。
「この神戸にいてもね」
「そうするんだな」
「この顔でも出ない、君
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