第四十二話
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く、彼女は私よりも強い。
開始時の二人でなんて、どれだけ驕っていた事か。
どう見ても弱者は自分たちで、彼らは圧倒的な強者。
その証拠になのはも簡単にあしらわれているのを横目に確認できる。
今の管理局になのはを超える魔導師は数少ない。
それをいかにもつまらなそうな表情で迎え撃っている小さいなのはの表情が印象的だ。
かくいう目の前の彼女もつまらなそうだが…
弱者が強者に手加減なんておこがましい。
それにどれくらいぶりだろう。
自分より上の者と対峙するのは。
そう思うと体の中が熱くなり、闘志が湧いてくるのを感じる。
「バルディッシュ」
『イミテーション・ライオットザンバー・スティンガー』
バルディッシュが変形して左右一対のブレードに変形する。
シグナムとの度重なる模擬戦のなかで編み出した私のとっておき。
「驚いた、二刀流ですか」
この模擬戦が始まって以来はじめて興味を持たれたようだ。
斧、鎌、大剣と形態変化していたけれど、流石にこの形態は無いだろうしね。
なんて思っていると、その幻想はすぐに打ち消される事になる。
「ルナ」
『ツインセイバーフォーム』
形態変化した彼女のデバイス。
彼女の両手にブレードが握られている。
セイバーと言っていたが、その形態は日本刀のそれだ。
しかし、ようやく彼女の構えが変わった。
その構えをどこかで以前見たことがあるような気がするが、思い出せない。
「はっ」
私は地面を蹴って、今私が出せる最大速度で迫る。
キィン
振るった刃は彼女のそれで止められる。
キィンキィン
刃が打ち合わされる音が響く。
繰り出している私ですら自分の攻撃の軌道が目視できない攻撃を彼女はいとも容易く受け止める。
「…修練不足。自己流の限界」
「何を?」
何を言っているのだろう。
しかし、私の攻撃にまたも彼女の表情はつまらなそうなそれに戻る。
「ただその武器を振っているだけ。そこに重みを感じない。あなたはそれ(デバイス)で生き物を殺した事が無い」
キィン
打ち合っている合間に彼女がそんな事を呟いた。
そんな事がある訳ないじゃないか。
この子は人を傷つけるために生まれてきたんじゃない。
私や、私の大切なものを守るために。
「スタン設定。確かに便利だけど、だからこそ生ぬるい」
キィン
「あっ」
私の腕が大きく弾かれて私の体は隙だらけ。
「まずは自分の力が、その手に持っているものが人殺しの道具だって言う事を認識しよう?」
ゾクゾクゾクっ
いやな悪寒が私の全身を駆け巡る
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