第十二幕その一
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第十二幕 記念日のプレゼント
ベッツイ達はウーガブーの国を後にしてから一路エメラルドの都に戻りました。その都への帰り道はといいますと。
ここでも黄色い煉瓦の道を歩いていました、その中で。
ベッツイは皆にです、にこにことして言いました。
「これでね」
「はい、ジャムも手に入りましたし」
「後はですね」
「都に戻ってそのうえで」
「記念日にお二人にプレゼントする」
「そうするんですね」
「ええ、そうよ」
その通りとだとです、ベッツイは五人に言うのです。
「記念日までに戻ってね」
「とりあえずここまでは平和でしたね」
ナターシャはそのベッツイにこう言いました。
「何もなくて」
「そうね、けれどね」
「旅は目的地に着くまでですから」
「まだ何があるかわからないのよね」
ベッツイもにこにことしながらもそれでも言うのでした。
「都までの帰り道も」
「だから早いうちにウーガブーの国も発ったんですね」
「そうよ、そうしたのよ」
それで、というのです。
「オズの国の旅は何があるかわからないから」
「そういえばいつもそうですね」
ナターシャはベッツイのその言葉に頷きました。
「今回にしても」
「もっと早く終わっていたでしょ」
「アン王女とお会いして」
それで、なのです。
「クマセンターや真実の池まで行って」
「そうでしょ、オズの国の旅は絶対に何かが起こるの」
「予想していないことが」
「いつも起こるものなのよ」
「私達のこれまでの旅も」
ナターシャも言われて気付きました、五人がこれまで加わったその旅もなのです。
「いつも何かがありました」
「そうでしょ、絶対に何かが起こるでしょ」
「何かと」
「はい、本当に」
「最初にオズの国に来た時にしても」
恵理香はその時のことから思い出すのでした。
「そもそもが思わないことでしたし」
「まさかね、かかしさんや木樵さん達と一緒になるなんて」
「想像もしていなかったよ」
ジョージと神宝も最初の旅のことを思い出しました。
「塔からね、オズの国に入って」
「エメラルドの都まで一緒に行って」
「そのこと自体がね」
「思わないことだったから」
「そうだね、モジャボロさんと一緒の時もムシノスケ教授と一緒の時も」
カルロスもこれまでの旅のことを思い出すのでした。
「色々あったから」
「ボタン=ブライトが起きなかったり」
恵理香は彼のことも思い出しました。
「本当に何かが起こるものなのね、オズの国での旅は」
「そう、だからね」
それでとです、また言うベッツイでした。
「早いうちに出発したのよ」
「そういうことですね」
「そうなの、まあ何もないに越したことはないわ」
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