バイバイエドラス
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エドラスの妖精の尻尾たちは、空に流れている魔力をただ見ていることしかできない。そんな中、エドルーシィが全員に呼び掛ける。
「みんな!!狼狽えたって何も始まらない!」
妖精の尻尾はエドルーシィの方に視線を移す。
「とにかく王都へ!!この目で確かめるんだ!!」
「確かめるって・・・何を?」
ナツはルーシィに質問する。
「あたしたちの・・・未来をだよ」
「「「「「!!」」」」」
ルーシィはそういうと王都へ向かって走り出す。
妖精の尻尾のメンバーは互いの顔を見合わせたあと、ルーシィのあとを追いかけた。
「混乱している民の前で、この混乱を引き起こした私を処刑するのだ。
王国軍の一人として・・・エクシードの一人として。
混乱を鎮め、皆を導け。魔法のない世界・・・新たな世界の王となるのだ」
「あなたは本気で、そんな戯言を言っておられんのかぁ!!王子!!」
リリーはジェラールに向かって怒鳴る。その様子を、影からナディが額に汗を浮かべながら見ている。
「その覚悟がなければ、こんなことはしない」
「ぐっ!!断る!!バカバカしい!!何で俺が王子を・・・」
リリーは強く手を握りしめる。
「できるわけがない!!」
「君ならできる」
「俺の何を知ってるというのだ!!」
「君はエクシードでありながら、幼かった私の命を救ってくれた。種族に左右されることなく、命の尊さを知っている男だ」
「あなたはその俺に、十字架を背負って生きろと言ってるのだぞ!!」
リリーの声がより一層大きくなる。しかし、ジェラールは臆することなくリリーに話す。
「それを乗り越える強さを含め、君しかいないのだ。わかってくれ。誰かがやらなくてはならないんだ」
「だったら自分でやればいい!!あなたこそ王にふさわしい!!」
「私は世界を滅亡させた」
「世界を思ってのことです!!自分の命をかけてまで、エドラスを想えるあなたの強い意思こそ今!必要なのです!!」
リリーはジェラールに一歩詰め寄る。
「滅亡させたのがあなたなら、あなたが責任をとりなさい!!それは死ぬことではない!!再び、この世界を導くことだ!!」
「それでは、この混乱は鎮まらん」
二人の意見は、一向に変わることなく、平行線を辿っている。
しばらくの沈黙のあと・・・リリーがジェラールに言う。
「俺が・・・悪役になりましょう」
「!!」
リリーの言葉に、ジェラールは驚く。
「俺はエクスタリアを追放され、人間と共に歩んできた。しかし、今回の件で王国を裏切った。もう俺に帰る場所は無い・・・全ての“悪”となり、処刑される役
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