バイバイエドラス
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の尻尾《フェアリーテイル》を抜ける者には、三つの掟を伝えなきゃならねぇ」
ナツさんは一度距離を取り、勢いをつけてジェラールに殴りかかる。
「一つ!!妖精の尻尾の不利益になる情報は生涯、他言してはならない!!二つ!!ごはっ!!」
ナツさんはジェラールに思いっきり顔をパンチされた。
「・・・なんだっけ?」
まさか今の衝撃で何言うか忘れたんですか!?
「過去の依頼者にみだりに接触し、個人的な利益を生んではならない」
「そうそう!三つ!!」
ナツさんはジェラールを殴り、二人の動きが止まる。
「たとえ道は違えど、強く生きなければならない!決して自らの命を小さなものとして見てはならない。愛した友のことを」
「生涯忘れてはならない・・・」
二人の拳が、互いの顔面を捉える。みんな、その様子を息を飲んで見守る。
「届いたか?」
二人は互いに倒れそうになる。
「ギルドの精神があれば、できねぇことなんかねぇ!!」
そういってナツさんは倒れ、ジェラールは踏みとどまる。
「また会えるといいな。ミストガン」
「ナツ・・・」
魔王が王子に倒されたのを見て、国民はみんな歓声をあげる。
「王子が勝ったぞー!!」
「やったー!!」
「スゲー!!」
「王子ー!!」
「ステキー!!」
エドラスの妖精の尻尾は、少し複雑そうな顔をしている。
エドガジルさんは、その場から離れ、俺たちに背を向けながら手を振る。ガジルさんはそれを見て、「ギヒッ」と笑った。
そして、エドシリルもそれを見て、微笑む。
「さぁ、時間だ」
エドシリルが小さく呟くと、ナツの体が突然光り始める。
「お前・・・体が・・・」
それと同時に、俺たちの体も光り出す。
「始まった」
「さーて、ハデに苦しんでるか」
「そうですね!ん?」
すると、俺たちの方にエドシリルが歩み寄ってくる。
「ありがとう。助かったよ」
「いいんだよ。俺も、お前にギルドのみんなを助けてもらったからな」
俺とエドシリルはニッと笑う。だが、エドシリルはすぐに真剣な顔に戻ってしまう。
「ところで・・・お前はいつそっちのウェンディにコクるのだ?」
「!?」
まさかの質問に俺はウェンディの方を見るが、ガジルさんが気を効かせてくれたのか、二人は少し離れたところにいる。
「べ・・・別に関係ないじゃん!!」
「まぁな。だが、俺は恩人であるお前らにも、幸せになってほしいのだよ。それに、魔法があるお前らの世界では、いつ何が起こるかわからん。
明日死ぬかもしれんし、突然恋のライバルが現れるやも知れん。そうなってから、後悔しては遅いのだよ。
だから・・・
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