バイバイエドラス
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は俺が・・・」
「ならん!!君は私の恩人だ!!死ぬことは許さない!!君は幸せにならなければならない!!」
「では、その言葉、そっくり王子に返しましょう」
「・・・」
ジェラールは無言になる。
二人は互いに助け、助けられてきた者同士・・・どちらも相手に死んでほしくない気持ちは一緒だった。
「誰かが責任をとって死ぬなど・・・不幸しか呼ばぬのです・・・」
「では・・・この混乱をどうやって鎮めれば・・・愚策だったか・・・」
二人は自分たちが何をすべきなのかわからなくなり、押し黙る。
「パンサーリリー様!!大変です!!」
そんな二人の元に、血相を変えた兵士が一人、走ってくる。
「わかっている。アニマの件なら、見ての通り我々が・・・」
「止めようとなさっているのですね」
「いや・・・そうじゃない」
兵士はリリーたちがアニマを止めようとしていると勘違いしている。
「それより、城下で暴れている者たちが・・・街を次々と破壊して・・・」
よほど国民は混乱しているのか、城下で暴れまわる者が出現したらしい。
「予想以上にひどい混乱のようだな。早くなんとかしなくては・・・」
「今は暴徒を止めるのが先です」
「そうだな。これ以上広がる前に手を打とう」
「あの・・・そちらの方は?」
リリーとジェラールは、兵士の質問を無視して街が見えるところへと向かう。
二人は街が一望できる場所に移動すると、そこでは悲鳴をあげる国民と、空へと流れている魔力が見え、二人は驚く。
しかし、すぐに冷静さを取り戻し、兵士たちに話しかける。
「暴徒の数は?」
「四人です!!」
「たった四人だと!?なぜ取り押さえん!!」
「それが・・・ものすごく強くて・・・」
リリーたちが話していると
「ガハハハハハハ!!」
何やら聞き覚えのある笑い声が聞こえてきて、リリーとジェラールはそちらに視線を移す。
「ヌハハハハハ!!我が名は大魔王ドラグニル!!この世界の魔力は、俺様が頂いたぁぁ!!」
そこには黒いマントを羽織、角を頭につけたナツがいた。
「な・・・」
「ナツ・・・」
リリージェラールはまさかの人物に言葉を失う。
すると、ようやく街に到着したエドラスの妖精の尻尾がそれを見てびっくりする。
「何やってるんですか!?僕さん!!」
エドナツがそう言うが、ナツはそれを無視して大笑いを続ける。
「貴様らの王は、俺様が仕留めた!!」
ナツの指差した先にいたのは、木に巻き付けられたエドラス王ファウスト。
「特別命だけは助けてやったがなぁ!、ガハハハハハハ!!」
ナツがそう言う。
「陛下ー!!」
「イヤー!!」
「王様がー!!」
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