3部分:第三章
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第三章
そして街灯を脱ぎつつ彼女に問うのであった。
「子供達は?」
「皆外で元気に遊んでいますよ」
「そうか。それは何よりだ」
そのことを聞いてさらに笑顔になるのだった。
「子供は元気なのが一番だな」
「そうですね」
「御前もここにいるし」
「まあ、あなたったら」
こうルターに言われて顔を赤らめさせるのだった。実は二人は夫婦である。ルターはカトリックを破門されているので結婚することも公にできるのだ。なおこの妻は元々修道院のシスター達が結婚する時にルターが彼女達の相手を見つけて結婚させていたところ一人残ったので彼が結婚した相手である。実はルターは結構なフェミニストであり若いシスターにも色々と世話を焼いていたのである。意外なことにである。
「またそんなことを」
「ははは。それにしても」
ルターはここで笑いながらまた言ってきた。言いながらテーブルの側の椅子に座った。
「喉が渇いたよ」
「お疲れ様でした」
「ビールはあるかな」
そして妻にこう尋ねたのであった。
「ビールは。どうかな」
「はい、ありますよ」
妻も穏やかに笑って彼に言葉を返した。
「はい、どうぞ」
「いやいや、やっぱりこれだよ」
ハムと共に出されたそのビールを見てさらに上機嫌になるルターであった。大きな木製のカップに注がれらそれを手にとってすぐに飲み干すのだった。
「もう一杯」
「もう飲まれたんですか」
「だから喉が渇いてね」
こう言うのである。
「だからだよ。もう一杯」
「はいはい、わかりましたよ」
妻も微笑んで夫に返してまたビールを注いで。そしてまた夫にそれを差し出すのであった。
「どうぞ」
「いや、仕事を終えてビールを飲む」
彼はまたビールの杯を手に持って述べる。
「この時が一番楽しいな」
「そうなんですか」
「ビールは人類の友だ」
講義の時とは全く正反対なことを言う。
「その心まで潤わせてくれる」
「だからですね」
「ワインもいいがな」
さりげなくそちらも認めはする。
「しかしだ。ビールはドイツ人の心だ」
「ドイツ人のですか」
「だから幾らでも飲んでいいのだよ」
「けれどあなたは確か」
妻は彼の言葉を聞くうちにあることを思い出したのであった。それは。
「ビールは害毒だと仰っているのではないのですか?」
「むっ!?」
「確か」
彼女も夫が外でそんな話をしているのを知っているのだ。ルターは多くの人には今のような一面があることを知られていないのだ。隠してもいないが。
「そうではなかったのですか?」
「それはその通りだ」
それは素直に認めるルターだった。ルターは嘘をつく男ではない。
「ビールは害毒だ」
「ではどうしてそのような」
「要は飲み方なのだ」
「
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