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インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜
オマケ
志真埜雪乃の憂鬱
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「ふぅ……。もう、那珂様は……」
薄暗い部屋の中、一人の少女がパソコンを開き その中で流れる映像を見て 苦笑している。少女の格好はラフなものでブカブカしたTシャツを一枚着ているくらいである。ルームメイトは居らず、その広い部屋の中少女のベッドだけがぬいぐるみなどが置かれていた。しかし、そのぬいぐるみ達もボロボロで所々縫い付けているのを見ると年季が入っているのだろう。そんなぬいぐるみ達の中でも一つだけ違う色のぬいぐるみが有った。少女はパソコンを閉じて、ベッドに横たわるとその色が違うぬいぐるみを抱きしめる。そのぬいぐるみをギュッと抱きしめて、そのぬいぐるみにキスを落とすと少女は目を閉じた。
「おやすみなさい。優理様」
???
那珂優理とワタシが出会ったのはワタシがまだ赤ちゃんの時でした。生まれてすぐ捨てられたワタシはある日心優しい若い夫婦に拾われました。その夫婦には双子の赤ん坊が居て、大変でしたのにワタシをここまで育ててくれました。その双子の赤ん坊も元気に育って、私を姉妹の様に扱ってくれたのです。ワタシは心からこの家族に恩返しをしようと思いました。自分のその気持ちに気づくまではーー
「雪乃?早く起きないと学校遅刻しますよ?」
「ふん?優理様?」
「寝ぼけているんですか?相変わらずですね」
そう言って、笑う彼女にいつから心惹かれていたのかわかりません。気づけば彼女が隣に居てくれたし、彼女の隣に居ました。彼女の隣で自然と笑っているワタシに気づきました。今までおじさんやおばさんにも見せたことのないその笑顔にワタシも戸惑いました。そして、気づいたのです。彼女ーー那珂優理を好きになってしまったと。気づけば彼女の後ろ姿を探したり、今まで何とも思ってなかった“手を繋ぐ”という行為にも心臓が破裂しそうなほどドキドキしました。でも、怖かったのです。彼女に自分の気持ちを知られたらと思うと。彼女がワタシの傍から離れて行ってしまうのではないかと思って……怖かったのです。こんな邪な気持ちで彼女を見ると自分が許せませんでした。でも、許せないと思うほどワタシは彼女に惚れていきました。
「…優理様?」
突然、立ち止まった優理様に驚くワタシ。
「もう、優理様はやめて下さいって言ってるじゃないですかっ」
「いえ、でも。そんな、恐れ多いですの」
「恐れ多いって、私と雪乃は姉妹ですから。大丈夫ですよ、私が文句言った奴を懲らしめてやりますよ」
「………本当、優理様は優しいですの」
ボソッと呟き、苦しい胸を握りしめる。優理様は振り返り、ワタシを見ると小首をかしげる。
「何か言いましたか?雪乃?」
「いいえ。なんでもないですの」
「そうですか。なら、急ぎましょう。授業が始まってしまいます」
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