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インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜
シャルの裏切り
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からだ。でも、何故それに僕はこんなにも心が痛いのかーーまるで見たくなかったものを見た時のようでーー。
「お待たせしました。わざわざ待ってくれるなんて、いい人たちですね」
その皮肉が混ざった軽口をどっかで聞いたことがある。でも、それは今僕の後ろにいる人物がいつもしてることで僕が好きなのはーー彼女なわけで。なのに何故ーー
「恋人さんとの最後の逢瀬ですもの。水をさすわけにはいかないでしょう」
最初の言葉に顔を真っ赤にする銀色のISの操縦者。そして、変な顔しながら僕たちを睨む。
「一夏とはそんなのではありません。それに私には他に好きな人が居るんで……」
「……」
(何をホッとしてるの、僕。彼女は敵ではないか、僕と優里の仲を裂く。……でも)
そっと正面に立つ少女を見る、肩まで伸びた髪をお下げにしていて僕を睨みつけているその瞳は吸い込ませそうな蒼。
ズキン、ズキンッ
「ッ。何なの……なんで君は僕を……」
「シャル」
後ろから僕の好きなその声が響く。その声で名前を呼んで欲しくて、僕はこれまで頑張ったんじゃないかっ。認めて欲しくて、褒めて欲しくて。僕と優里はいつもそういうーー。
でも、ふと考えてしまう。
(……そうだったけ。僕と優里はそんな関係だったけ……)
「シャルっ。相手に惑わされたらいけません」
「……」
優里が抱きしめてくれる。その暖かさにホッとして、僕は正面を向く。少女を見つめると複雑な表情をしていたが彼女が僕の心を乱すんだ。彼女を倒してしまえばーー。
「優里。……待ってて、僕が君の敵を倒して見せる」
「はい。待ってます」
その優しい笑顔を見て、僕の心に闘気が宿った。
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