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インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜
似たもの同士
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ー。
手にとって、眺めてみる。光に反射して、畳に薄い紫色の影を作る。それを暫く眺めていると。

『それ。アメジストって言って、私の誕生石なんです。本当はシャルの誕生石を送りたかったんですけど、シャルの誕生日知らなくて……。気に入ってくれました……?』

優里が恐る恐る僕に尋ねる。

『うん!ありがとう、優里。大切にするね』

『はぁ……、はい』

満面の笑顔を優里に向けると優里はそっぽを向く。そんな優里がまた可愛く、僕は改めて優里が好きなんだと実感した。


「シャルロット君、ご飯出来たよ〜」

「は、はい。今行きます」

(まぁ、優里なら大丈夫かな?僕より強いし……)
洗濯カゴを抱えている白い指には紫色の指輪が光っていた。

???

「それではあそこがシャルが住んでた分家なんですか……。にしても大きいですね。プールも有りますし……」

「優里ちゃん。こっちだよ」

何故か断るに断れず、流されるままにデュノア家に泊まることになってしまった。私は社長に会えたから、日本に戻るつもりだったのだが、こんなことになってしまった。城みたいな自宅に招かれ、おっかなびっくりに入ると使用人やらメイドやらが頭を下げてきたときには流石に帰ろうかと思ったが社長に『ミラの説得を手伝ってくれ』と言われたら帰るに帰れず。ズルズルと客間に案内されているところという事だ。

「はぁ……。なんで、私はこんなにも問題に巻き込まれるんでしょう……」

(間違いなく、自分から問題に突っ込んでいるからだろうな)

自分の性格に嫌気が差す。客間に案内された後は何もすることがなく、ぼゥ〜と外を眺めていたが目に入るのはあの分家であんな小さい……と言っても私の自宅の居間(20畳ぐらい)有るので一人暮らしには不自由しないかもしれないが、シャルはどんな気持ちであそこに住んでいたんだろう。どんな思いでこちら(本家)を眺めていたんだろう。

「………」

帰ったから、聞いて見てもいいかもしれない。彼女がどんな風に育ったのかをーー。
(そうか……私は……。いや、俺は……シャルの事が……)
そんな事を思って、ふっと鼻で笑う。だから、後ろでドタドタと走ってくる足音に気づかなかった。

「優里ちゃん〜〜!!」

「うわっ!?……ってシャーロックさんですか……。なんですか、びっくりさせないでください……」

「だって、ミラが〜〜」

私に抱きつくのはデュノア社の社長でシャーロック・デュノアさんである。そのシャーロックさんのあとを鬼のような顔で追いかけてきたのはシャーロックさんの妻、ミラさんである。そして、ミラさんは私を抱きしめてワンワン泣くシャーロックさんを見て、また怒りマークを増やす。

「シャーロック!!あなたという人は……
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