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インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜
似たもの同士
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の視線に気づいて振り返った彼女は柔らかい笑みをわたしに浮かべる。続けて、膨らんだ自分のお腹を優しく撫でる。
彼女ーーアリスと出会ったのはわたしが社長になって間のなくの頃だった。階段の途中で立ち止まって、窓の外を見ていた彼女にわたしが気付かず、思いっきりぶつかってしまい。気絶した彼女を背負って、休憩室まで運んだ。その後、ソファに寝かした時にアリスが気がつき、引くほど謝られたとか。わたしの方が心配されたとか断片的に覚えている。アリスはどちらかというとこういう仕事に向いてないと思われた。資料をコピーするのも人より数倍かかったし、運びものも所々向けていてよく上司に怒られていた。しかし、何故かアリスはこの仕事をやめようとしなかったし、わたしも何故か彼女を辞めさせようとも思わなかった。
アリスと出会って、数ヶ月が経った。
そこ頃になるとわたしも社長の仕事に慣れ、私生活も充実していたが妻との間に子供を作れなかったのはわたしの悩みでもあった。その頃のわたしは精神的にも参っていたのかもしれない、妻に毎日といっていいほど行為をせがまれ、両親からも孫を早く見たいと言われる始末。そんな中、アリスの入れてくれたコーヒーが心体ともに癒された。そして、いつの間にか彼女自身を癒しとして見ていた。そんなある日、傘を忘れたというアリスを家まで送ったことがあった。いいという彼女に半ば強引に傘に入れて、帰路を歩いていると彼女の薄手のシャツが雨に濡れて、下の白い肌が透けていることに気づいた。思わず唾を飲み込んでしまい、ハッとする。彼女を無事家まで送ったのは良かった。彼女がわたしも濡れていることに気づき、部屋に入れるとシャワーを浴びて行くように言う。その彼女の無防備さには此方も参ったが、有難く使わせてもらうことにした。その後もそんなやりとりが続き、理性が壊れて彼女を押し倒すとついに彼女と契りを交わしてしまった。落ち込むわたしに彼女はこう言った。
『愛人でもいいです。貴方が私を愛してくれたら、それだけで私も幸せですから』
彼女はわたしと関係を持った数日後、会社を離れた。理由はわたしとの関係を知られたから、貴方が大変だからだそうだ。アリスは森奥の人があまり寄り付かない家に引っ越してそこで静かに過ごしていた。わたしも彼女の家に頻繁に通った。
そして、数日後。
アリスが妊娠したことが発覚したのは、わたしは飛んで喜んだ。アリスを抱きしめるとありがとうありがとうと何度も言った。それからは時間が経つのは早かった。そして、生まれたのは彼女に良く似た可愛い女の子。わたしはその女の子にこう名付けた、シャルロットと。
でも、幸せはそう長く続かず。アリスが亡くなるとシャルロットはデュノア社にいいように使われた。本当は助けたかった、でも会社を守るためと割り切り頑張ったつもりだったが……。本当、笑えるものだ。
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