暁 〜小説投稿サイト〜
偉大な二人
1部分:第一章
[2/2]

[9] 最初 [2]次話
を待ったのだ。
 ベートーベンはその光景を見た。それも一部始終だ。その馬車が通り過ぎてからだ。
 ゲーテは頭を上げた。その彼に対してだ。ベートーベンは胸倉を掴まんばかりにして言って来た。
「今何をしたのだ」
「何かとは?」
「何故貴殿程の人物が貴族などに頭を下げる」
 ゲーテの芸術は認めていた。確かにだ。
 しかしだからこそだ。余計に彼は言うのだった。
「それは何故だ」
「何故かとは。あの方はだ」
「あの方!?」
「そうだ。私によくしてくれている方なのだ」 
 その人物の馬車だったというのだ。
「だからだ。礼儀を正したのだ」
「貴族にか」
「貴族だと駄目だというのか?」
「貴殿の芸術は貴族等に頭を下げるものなのか」
 ベートーベンの言い分はこうであった。
「貴族なぞ何だというのだ。芸術の前には何の価値がある」
「いや、人としての礼儀だ」
「礼儀!?そんなものが何になる」
 ベートーベンはまだ言う。

[9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ