1部分:第一章
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を待ったのだ。
ベートーベンはその光景を見た。それも一部始終だ。その馬車が通り過ぎてからだ。
ゲーテは頭を上げた。その彼に対してだ。ベートーベンは胸倉を掴まんばかりにして言って来た。
「今何をしたのだ」
「何かとは?」
「何故貴殿程の人物が貴族などに頭を下げる」
ゲーテの芸術は認めていた。確かにだ。
しかしだからこそだ。余計に彼は言うのだった。
「それは何故だ」
「何故かとは。あの方はだ」
「あの方!?」
「そうだ。私によくしてくれている方なのだ」
その人物の馬車だったというのだ。
「だからだ。礼儀を正したのだ」
「貴族にか」
「貴族だと駄目だというのか?」
「貴殿の芸術は貴族等に頭を下げるものなのか」
ベートーベンの言い分はこうであった。
「貴族なぞ何だというのだ。芸術の前には何の価値がある」
「いや、人としての礼儀だ」
「礼儀!?そんなものが何になる」
ベートーベンはまだ言う。
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