第四十一話
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とてもすばらしいものに見えた」
一同無言だ。
「急に使えることになったその力をもっともっと使いたかった。それには地球ではダメだった。地球じゃ魔法を使える人は殆ど居ない。お兄ちゃんも、紫ママも秘匿しなさいって口をすっぱくして言われてたっけ」
それはそうだ。
マイノリティは排除されるものだ。
普通の人間に無い、それも圧倒的な何かを使える人間が居ると分れば回りの人間はそれを受け入れる事は出来るだろうか?
だから秘匿する。それは多数のなかで生きるには仕方の無い事だ。
「空を飛ぶのは凄く楽しいし、魔法の力で自分の大切な人を守ることはすばらしい事かもれない。…だけど、その力も地球では使えない。地球じゃ使えないんだったら使えるところへ行きたいと思うのは魔法を日常で使いたいと思っている人には当然の事なんじゃないかな?」
「…そ、そんな…」
「地球人であるはずの未来のわたしが、こんな遠くに家族や友達を捨ててまでやりたかった事って?人々を守ること?違うよね。彼女の仕事は教導。つまり教え導く事。自分が持っている魔導師としての技術を使っての後任の指導ですよね?」
つまりは日常的に魔法を使えると言う事だ。
「え?…あっ…」
スバルの口からは否定の声も出ない。
「だからわたしは未来のわたしが嫌い。大切なもの、守るべきものは自分の大切な人とその日常だってわたしは思っているから」
だからなんで彼女がミッドチルダに居るのか理解できないとなのはは言った。
「わたしはお兄ちゃんが好きで、ママが好きでソラちゃんにフェイトちゃん、くーちゃんにアルフさん、そしてお父さんやお母さん、恭お兄ちゃんやお姉ちゃんが大好き。学校に行くのは楽しいし、海も山も近い海鳴の街がすっごく大好き。わたしが守りたいものはそんな小さな所だけ。それだけでいいの」
「なのは、人の考えはそれぞれだよ」
俺がやんわりともう止めなさいというニュアンスを込めてなのはを制止する。
何を思って未来のなのはがこんな遠い所まで来ているのか。
それは彼女にしか分らない事だ。
場の雰囲気を悪くしてしまった事に罪悪感を感じながら俺たちは先に部屋へと戻らせてもらった。
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