暁 〜小説投稿サイト〜
スレンダーマン?がダンジョンに潜るのは間違っているだろうか
第二話
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
するのを感じた。私の顔は赤くなるのだろうか。
手を振るヒルコ様に手を振り返しながら私はホームを後にした。



──順調だった。
奇妙な見た目から道中誰にも絡まれなかったし、装備品も胸当てと一本のククリ刀を武器屋で買い、触手で持つ分は道具屋で売ってた鉈や手斧で代用することでそれなりに節約も出来た。
ギルドでの登録も揉めるかと思ったが出自が自分でもわからないと言ったら、深くは聴かれずとんとん拍子で終わり、その後耳のとがった美人のアドバイザーさんの説明を受け、一人でもぐるのは危険だ、と忠告をもらいはしたものの、無茶をしないからと言い切ってダンジョンへと足を踏み入れた。

ダンジョンに入ってからもこれと言った問題は起きなかった。瞬間移動と触手のおかげでコボルトやゴブリンといった初心者御用達モンスターに苦戦することも無く、ハッキリ言って余裕だと感じてしまった。
そこで満足しておけばいいものを欲を出して更に下の階層まで踏み込んだのがまずかったの知れない。
──訂正、五階層に踏み込むまでは順調だった。
五階層から危険度が変わるとアドバイザーさんが言っていたが、たいしたモンスターに遭遇することも無くある程度進んだとこでさすがに引き返そうと考えていた時のことだった。
まず地響きがした。最初は気のせいかと思ったがどんどん大きくなる等間隔の振動は何かがこちらに近づいていることを知らせる。
次に叫び声、猛る牛のようなけたたましい雄たけびと、あどけない少年の悲鳴がこれまた近づいてくる。
最後に肩越しに後ろを見ると、こちらに向けて全力疾走してくる銀髪の少年と、それを追いかけてくる牛頭のマッチョの怪物が目に入る。
運悪くもここは一本道、私には少年と同じ方向に逃げ出す選択肢しか残されていないことを悟り、全力で走り出すのであった。



『ヴヴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!』

「ほぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

駆け出し冒険者ベル・クラネルは必死に逃げていた。担当のアドバイザーであるエイナ嬢に
──『冒険者は冒険してはいけない』──
とはっきりと言われていたものの、異性との出会いがあるかもしれないという誘惑に負け普段通う二階層から五階層まで一気に降りてしまったのがまずかった。
五階層に降りた瞬間、今ベルを追いかけている筋骨隆々の牛頭の怪物、ミノタウロスとエンカウント。
五階層では出てくるはずの無いこのモンスターとつい先ほどから命を懸けた鬼ごっこの真っ最中と言うわけだ。
初めて入る五階層の地理に詳しいわけも無く、とにかくひたすら逃げていると言う状況だった。
闇雲に逃げるうちに突入するは一本道、道に入ると同時に一人の線の細い長身の人が目に入る。その人は肩越しにベルとミノタウロスを見たと
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ