1部分:第一章
[2/2]
[9]前 最初 [2]次話
皇帝にとっては衝撃だったのだろう」
「文字は人を殺すもの」
「そのことをお知りになられたのだから」
こうだ。あのサインのことを話すのだった。
「仕方のないことだがな」
「だが。皇帝は感受性の強い方だ」
ネロの性格の特徴だ。彼は繊細で感受性が強い。それは芸術を好む趣味にもなっていたがそれと共にだ。彼をやや躁鬱のきらいにも導いていたのだ。
彼等もそのことを知っているからだ。ネロを心から心配して囁くのだった。
「このままではな」
「今は大丈夫でも政務に滞りが出るぞ」
「危ういな、このままでは」
「皇帝だけでなくローマ自体が」
「ローマとて安泰ではないのだ」
確かに栄えている。しかしだった。
「ユダヤの者達の反乱はくすぶり続けている」
「ゲルマニアの地の野蛮人達もいる」
「パルティアも厄介だぞ」
ローマにも外敵はいた。特にパルティアだった。東の彼等の存在はローマを常に悩ましていた。
[9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ