第35話 剣は振り下ろす派?それとも薙ぎ払う派?
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だった。
とりあえず腕でそれに触ってみた。
ワシャ‥‥‥
完全にそれは岩の感触ではなかった。
例えるなら人の頭。髪の毛と同じ感触だった。
「す‥‥‥すまねぇな、ジェーン。
お前の胸ちょっと借りてるぜ?」
声を聞いて、俺はすぐに理解した。
ホークアイが俺の胸にうずまっていた。
「な、何してんだお前は!!」
俺の頭には最初に恥ずかしさが大半を占めていたが
よく考えてみると、ホークアイが命懸けの状況でも
ふざけるような男ではない事に気が付いた。
「お前、もしかして‥‥‥‥‥」
俺はホークアイの背に手を伸ばした。
そこには、ゴツゴツとした背中にあるものと
同じ感触の物が彼の背中に乗っていた。
「俺を‥‥‥‥守ってくれたのか?」
ホークアイは俺の腹のケガに岩が当たらないように
俺を覆うようにして守ってくれていたのだ。
「お、おぉ‥‥‥‥すまねぇが今は怒んないでくれ。
ずっと支えたままだから、そろそろヤベェから」
しかし、人間であるホークアイにとって
かなりの重量の岩を長時間支え続けるのは
体力的に無理があるだろう。
「‥‥‥‥‥しかたない、俺がどけてやるよ」
ホークアイが支えられるぐらいの重量の物なら
おそらく大丈夫なはずだ。俺の"超技術"が使える。
俺は大きく息を吸って、呼吸を整えた。
「いや、今お前オレが邪魔で動けないだろ?
それに腹の傷もまだ治ってないのに
どうやってどか――――――――――」
安心しろ、もう使った。
ただの岩ならもう慣れてる。
俺は心の中でそうつぶやいた。
サラサラサラサラ‥‥‥‥‥
「ん?」
砂埃が落ちた音をホークアイが
認識した次の瞬間だった。
ザザーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!
「うわあッ!?」
ホークアイの背中の上に乗っていた大きな岩は
大量の砂埃になって二人に降り注いだ。
「ゲホゲホッ!な、何が起こったんだ!?」
砂ぼこりが混ざった酷い空気に
ホークアイは咳をしながら叫んだ。
俺も粉がまともにかかったので
咳を数回した後に答えた。
「俺の"超技術"さ」
「え、でもお前の"超技術"って‥‥‥‥」
両腕のブレードが高速で振動することで
触れた物体の分子構造を分解する能力。
確か、中国ではそう説明しておいたはずだ。
しかし、今起きた現象はその説明では納得できない。
そう言いたそうな顔をしてホークアイは座っていた。
「外でも、『俺ならアイツを見つけられる』
としか教えてくれなかったしよ。
実際、お前の"超技術"って何なんだ?」
俺は口を閉じて答えなかった。
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