4部分:第四章
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のうえでまた言おうとする。しかしだった。
作家はその彼にだ。さらに言ったのだった。
「しかし貴方の口調ですと騙されても罪は罪に思えますが」
「い、いやそれは」
「確かに騙されているのなら罪は軽いでしょう」
作家は一見すると批判の手を緩めたかの様に見えた。しかしだった。
ここでだ。秋生に止めの一撃を見舞ったのだった。
「ですが意図的な、確信犯で書かれた誤報や虚報の類はどうなのでしょうか」
「林彪同志のことか」
「はい、貴方はそれを行いました」
作家はその止めの一撃を秋生に加えた。
「それは記者として絶対にやってはならないことでしたね」
「・・・・・・・・・」
「それを行った貴方は最早記者ではないのです。貴方の言うこと、書くことは最早全て嘘と思われても仕方ありません。大義を口実に人を騙したのですから」
作家は秋生に告げたのだった。彼はそれを受けてだ。
項垂れてだ。沈黙するしかなかった。作家はその彼を冷たく厳しい目で見ていた。
林彪が死んだのは事実だ。そしてそれを知りながら自分達の口実によりその事実を偽った記事を書いた新聞があったのも事実だ。マスコミもまた嘘を吐くということは長い間知られていなかった。だが今はそれが明らかになっている。それが喜ばしいことかどうかは別にして。今は明らかになっていることである。その事実をここに記しておくことにする。
革命家の死 完
2012・1・23
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