帰還
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つのあれだけは認めないまでもないわ」
「……」コクリ
いつもよりも若干足取りの軽く見えるエイモンドさん。
と、そこへ換金を終えたパディさんとスウィードが帰ってきた。
「ありがとう、パディ」
「いえいえ、執事として雑用は当然ですよ」
パンパンに膨らんだいくつもの袋をバックパックにしまい、にっこりと微笑むパディさん。
そして、一人エイモンドさんがいないことに気付いたパディさんは、ハーチェスさんの「ほら、いつもの」という言葉で察したのか納得顔になった。
ただ一人、スウィードを除いては
「あ、あの、エイモンドさんはどこへ……」
「そういや、スウィードは知らないか。 エイモンドはある一人の受付嬢のところに行ったんだよ」
「……? 何でですか?」
「あら、察しが悪いわね。 はっきり言えば、あのバカはその受付嬢のことが好きなのよ」
「うぇっ!? あのエイモンドさんが!?」
信じられないと声をあげたスウィードが俺の方へバッと振り返ったが、実際リリアさんの言う通りであるため頷いた。
いや、でもわかるよその気持ち。いつものエイモンドさんみてたら、そんなこと露程にも考えることなんてないからな。俺も知ったときはかなり驚いたことを覚えている。
【極光の陶酔者】という二つ名を神様からもらったエイモンド・エイナルドはその名の通りナルシストである。
朝もホームの【光明の館】の自室で鏡(自費、八〇〇〇〇〇ヴァリス)を前に日々自分が最も美しく見えるポーズの研究を行っているほどだ。一度見たとき、ジョ◯ョ立ちっぽく見えたのは吹き掛けた。
まぁ確かにエルフである彼は誰の目で見ても容姿端麗であると言えよう。が、口癖のように出てくる発言には、思わず目を覆いたくなる。
そんなエイモンドさんであるが、実は一つだけ例外があったりする。
なんか、好きな人がいるっぽい
本人がそう言った訳ではないが、ギルドへ来ると、毎回必ずその人の所まで赴いて話をしにいくのだ。なんの話かは知らないが、まぁエイモンドさんの事だ。だいたいの予想はできる。
確か、相手は黒妖精の……あれ? なんて名前だったっけ?
「ミネロヴァよ」
「あ、そうです、その人です」
「あぁ。あのちょっとエロっぽい人っすね」
「へぇ〜、エイモンドさんが……」
「ま、その人、エイモンドさんには全然興味なしみたいだけど」
「まぁ、そういうこと……っと、忘れてた。ハーチェスさん、ちょっとルナファさんとかに報告行ってきますね」
「うん、頼んだ」
そう言って、俺は受付に向かう。
「ルナファさん。 こんばんわ」
「あ、式君。 遠征は
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