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夢のような物語に全俺が泣いた
汚名返上の鉄拳制裁
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んてありはしねぇ」

仲間に止められるなか、次々に罵倒を乗せる犬野郎。
そして次の言葉が隣の少年に大ダメージを送る事になった。


「雑魚じゃあ、第一級冒険者アイズ・ヴァレンシュタインには釣り合わねえ」


ガタンッと、椅子が倒れる音がした。
隣の席から少年が立ち上がり、勢いよく店から出ていってしまう。
そうか。あの少年はヴァレンシュタインに憧れを抱いていたのか。

「ベルさん!」

少年を追いかけていく少女を端に見て、俺はユウジさんに視線を移す。

「ミアちゃんや。あの少年の勘定はあいつら持ちになるから気にすんな」

「ちゃん付けはやめとくれ。
どういう事かは知らんが、揉め事だけは止めとくれよ?」

「安心しろって。被害に逢うのは彼処のファミリアだけってな…」

ユウジさんはニヤリと笑って俺を見る。
その目は「喧嘩売ってこい」と言っていた。
俺は頷いてから立ち上がり、真っ直ぐに犬野郎の場所へと歩いていく。
しかしその前に一言言っておかなくてはならないことがある。
それを思い出して俺はヴァレンシュタインの前に止まった。

「アイズ・ヴァレンシュタインであってるよな?」

「…そうだけど」

「昨日はまぁ…助かった。
正直敵うかどうかは分からなかったからな」

「君は…白い子と一緒にいた…」

「そうなるな。ただ…鮮血シャワーだけは勘弁してほしかった」

「…ごめん」

ああ。この人は素直なんだな。
しかしその横の犬野郎と来たら…

「おいテメェ」

に始まり、

「アイズと話してんのは俺だぞ!」
「無視してんじゃねぇぞ!」
「話聞いてんのかクソガキ!」

まぁチンピラの様な言い回しを散々に送ってくる。
俺はゆっくりと犬野郎に向き直り、一言、こう告げた。

「表に出ろ犬野郎…」

「あぁ?テメェ…昨日のゲボ野郎じゃねえか…」

「黙れよ駄犬。ワンワン吠えやがって…躾がなってねぇんじゃねえのか?」

「んだとゲボ野郎!」

まさに一触即発。
お互いに胸ぐらを掴み合い、いざ殴ろうとしたところで腕を捕まれた。

「ま、ここはお兄さんに預けなさいな」

止めたのはユウジさんだった。

「っ……何で止めるんだよ」

「(まぁ待ってろ…)なぁロキさんや?」

「何やアンタ?」

「ユウジ・アカシ。しがない冒険者で…【最強】を拝命してるよ」

ざわっ、と店内に喧騒が走る。
【最強】。その名の通り、もっとも強き者を指す言葉であり、その称号を名乗るものは確実に目立つ。
男なら一度はなってみたいその称号をあっさりと名乗り上げたユウジに疑不の念を送る者達が多くいた。

「【最強】…なぁ。
それで?その最強さんがウチ
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