汚名返上の鉄拳制裁
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け何もしなくて…」
目があった瞬間に謝り倒す少年。
腰が低いと思いつつも謝罪を制止させる。
「いや、あの時はお互いに助けられたんだ。
それで良しとしよう、な?」
「あ…はい。それで…あの人、アイズ・ヴァレンシュタインさんは…何か言ってませんでしたか?」
「へ?あー…悪ぃ、あんまり覚えてねぇんだわ」
「そうですか…」
何だろう…この少年の目は?
何かにつけて不安なのか…それでいて真っ直ぐなのか…。
たぶんこう言うのを純粋って言うんだろうな。
「……あ」
「ん?」
ふと、少年が何かを見つけた様に声をだし、俺もつられてそちらの方へ向いた。
そこには団体での集まりがあり、その中に昨日の女性の姿が。…犬耳の奴もいる。
「なぁアイズ。そろそろあの話しても良いんじゃねぇか?」
「あの話?」
どうやら祝勝会の様な物らしく、それぞれに酒などをの見交わす。
その一方で犬耳がアイズ?さんに話を振った。
まぁ俺には関係ないと言うことで目線を戻して前を向
「あのトマト野郎と小心野郎の事だよ」
――こうと思ったがその場でストップ。
明らかに最初の単語に聞き覚えがありすぎた。
甦るのは昨日の記憶。あの時、あの犬耳に言われたことは確実に覚えている。
どうやら隣の少年も、体を強ばらせた辺り見に覚えのありそうな話なのだろう。
「それってミノタウロスのことだよね?
17階層で襲いかかってきて返り討ちにしたら、すぐに集団で逃げ出していった?」
「それそれ! 奇跡みてぇにどんどん上層に上がっていきやがってよぉ。
俺達が泡食って追いかけていったやつ!こっちは帰りの途中で疲れていたのによ〜」
耳を塞ぎたくなる衝動に駆られる。
だが、心の何処かで塞ぐな、と言われているかのように動かない。
「それでよ、いたんだよ。
いかにも駆け出しって言うようなひょろくせぇ冒険者のガキどもが!
抱腹もんだったぜ?兎みたいに壁際へ追い込まれちまってよぉ!
1人は立ち向かおうとしてたけどよ、そいつも変に高そうな盾しか持ってねぇでやんの!
盾で何ができんだよって明らかに初心者な風格丸出しだったぜ!
もう1人もう一人で可愛そうなくらい震え上がっちまって顔をひきつらせてやんの!」
身体中が火であぶられたように熱くなる。
ビンゴ…昨日の事に間違いはない。
「ふむぅ? それで、その冒険者どうしたん? 助かったん?」
「アイズが間一髪ってところでミノを細切れにしてやったんだよ、なっ?」
「……」
ヴァレンシュタインは答えなかった。
それは俺達の事を考えての事だろうか?それとも、ソウヤさんの殺気の事だろうか?
「それでそいつら、あのくっせー牛の血を全身に浴びて
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